ロレックスは昔安かった?30年前の価格と高騰の全理由

「ロレックスって、昔はもっと安かったんだよ」――そんな話を聞いて、本当なのだろうかと疑問に思ったことはありませんか。あるいは、その価格の変わりように驚いている方もいるかもしれませんね。実際のところ、ロレックスが昔は安かったというのは紛れもない事実です。

この記事では、漠然とした「昔」を具体的に掘り下げ、例えば30年前や活気に満ちた1990年代のバブル期に、デイトナやサブマリーナ、デイトジャストといった今や憧れのモデルが、一体いくらの定価で売られていたのかを当時の価値と比較しながら振り返ります。

この記事でわかること
  • ロレックスが昔安かった理由と現在高騰している歴史的背景がわかる
  • デイトナなど人気モデルの具体的な価格推移を年代別に知れる
  • 今後の価格動向と、今からでも狙えるモデルが理解できる
  • 資産価値としてのロレックスの魅力を再発見できる
目次

ロレックスが昔は安かったと言われる背景

かつてのロレックスは、今のような「資産」としての顔つきとは少し違っていました。なぜ多くの人が「昔は安かった」と口にするのか、その時代の空気感や具体的な価格を振り返りながら、その背景にある理由を探っていきましょう。ここからは、当時のブランド戦略や年代ごとの価格、そして今に続くヴィンテージウォッチの魅力まで、時間をさかのぼって解説していきます。

  • なぜ安かったのか?その理由とブランド戦略
  • 1990年代バブル期の定価を比較
  • 30年前からの価格推移と現在の価値
  • ヴィンテージやアンティークの魅力
  • デイトナなどモデル別の価格変動を解説

なぜ安かったのか?その理由とブランド戦略

分かります。「昔のロレックスは安かった」と聞いても、今の状況を知っていると、にわかには信じがたいですよね。一体なぜ、そしてどうして、あんなにも価格が変わってしまったのか。その理由が一番気になるところだと思います。

なんて言ったらいいのかな。結論から言うと、昔のロレックスは今みたいな「雲の上の資産」ではなく、もっと身近な「最高に頼れる実用品」だったからなんです。

まあ、正直なところ、当時のロレックスの立ち位置が今とは少し違った、ということですね。

  • ブランドの顔つきが違った 今のようにステータスや資産価値を前面に出すというより、「冒険家のタフな相棒」や「パイロットの計器」といった、プロが使う道具としての実用的な顔が強かったんです。
  • 周りにもライバルがいた もちろん当時も素晴らしい時計でしたが、他にも優れたブランドはたくさんありました。皆で切磋琢磨していたので、一つのブランドだけが神格化されるような空気ではなかったんですね。

例えるなら、今のロレックスが「気軽に話しかけられない世界的スーパースター」だとしたら、昔は「クラスで一番スポーツができて、みんなから頼りにされる人気者」みたいな感じでしょうか。すごく魅力的だけど、どこか手の届く存在。

それに、今と違って並行輸入品も普通に流通していて、街の時計屋さんで少し安く買えたりもしたんですよ。

だからこそ、昔のロレックスは「頑張ればいつか手に入る、一生モノの相棒」。その実直な魅力が、時代を経てじっくりと評価され、今の絶大な人気につながったと考えると、なんだか見方も少し変わってきませんか?

1990年代バブル期の定価を比較

「昔は安かった」という言葉を最も具体的に感じられるのが、1990年代、特にバブル期の価格かもしれません。今や数百万円、モデルによっては一千万円を超えることも珍しくないロレックスですが、当時は驚くほど身近な存在でした。

結論から言うと、多くの人気モデルが現在の1/3から1/5程度の価格で販売されていました。

例えば、現在でもロレックスの代表格であるデイトジャスト。当時はビジネスマンの定番ウォッチとして人気でしたが、その価格は非常に現実的でした。以下の表は、1992年頃の主要モデルの定価と、比較対象として当時の大卒初任給をまとめたものです。

モデル名 型番 当時の定価(1992年頃) 備考
デイトジャスト 16220 約350,000円 大卒初任給が約18.6万円の時代
サブマリーナ 14060 約390,000円 ノンデイトモデル
コスモグラフ デイトナ 16520 約600,000円 通称「エル・プリメロ搭載」モデル
エクスプローラーⅠ 14270 約370,000円 木村拓哉さん着用で人気に火が付く前

この表を見ると、デイトジャストやサブマリーナが給料2ヶ月分ほどで購入できたことがわかります。もちろん決して安い買い物ではありませんが、少し背伸びをすれば十分に手が届く価格帯でした。

驚くべきはデイトナの価格です。今やステンレスモデルでも中古市場で400万円を超えるのが当たり前ですが、当時は60万円ほど。もちろん最高級モデルではありましたが、今の熱狂ぶりを思うと、まるで違う時計の話のようです。

このように、1990年代のロレックスは、品質に見合った適正な価格で評価される高級実用時計でした。百貨店でも普通に注文できましたし、ディスカウントストアで値引き販売されることもあったのです。この時代の空気感を知る人たちが「昔は安かった」と懐かしむのも、無理からぬことと言えるでしょう。

30年前からの価格推移と現在の価値

「30年前は30万円だった時計が、今や100万円以上?」なんて聞くと、もうなんだか現実味がなくて、タイムスリップでもしたような気分になりますよね。昔の値段を知っている人ほど、今の状況は信じられないかもしれません。

まあ、はっきり言ってしまうと、この30年でロレックスは腕時計というカテゴリーから、半分くらい「持ち運べる不動産」みたいな存在に変わっちゃったんです。

どうしてそんなことになったのか。理由はすごくシンプルで、昔は時計が好きな人たちが主な買い手だったのが、今や世界中のお金持ちや投資家までが「ロレックス争奪戦」に参加し始めたから。なんて言えばいいのかな、プレーヤーの数が桁違いに増えちゃったんですね。

たとえば、30年前に新社会人が「よし、一生使うぞ」と決意して買った、30万円のエクスプローラーIを想像してみてください。それは、丁寧に育て始めた一本の小さな苗木のようなものでした。 それが10年、20年と経つうちに、

  1. 世界中から新しい買い手(=土地)が現れ、
  2. 行き場のない投資マネー(=栄養満点の水)がどんどん注ぎ込まれ、
  3. SNSで「あの木はすごいらしいぞ!」(=注目度)と噂が広まり…

気づけば、誰もが欲しがる立派な大木に育ってしまった。そんなイメージです。

だから、今のロレ-ックスの価格は、単なる人気投票の結果というより、世界経済の動きそのものが反映された、ある意味「相場」みたいなもの。昔の価格を知ると、これからのモノの価値を考える上で、面白いヒントが見つかるかもしれませんよ。

ヴィンテージやアンティークの魅力

最新モデルの価格を見ると、正直ちょっとため息が出ちゃいますよね。「もうロレックスは自分には縁がないのかな…」なんて、寂しく感じている人もいるかもしれません。でも、大丈夫。実は、そこにこそ面白い選択肢が転がっているんです。

それは、完璧じゃないからこそ愛おしい、「自分だけの相棒」を見つけるという楽しみ。そう、ヴィンテージやアンティークの世界です。

新品の時計が寸分の狂いもない「完成品」だとしたら、何十年も前に作られた古い時計は、一つ一つ表情が違う「一点もの」。なんて言ったらいいのかな、欠点や古さすら、その時計だけの魅力になってしまう世界なんですね。

じゃあ、具体的にどこがそんなに魅力的なのか、というと…。

ヴィンテージならではの3つの魅力

  • 世界に一つの「顔」に育っている まるで履き込んだジーンズの色落ちみたいに、時計も時間をかけて表情を変えます。長年浴びた紫外線で文字盤が絶妙なブラウン(トロ-ピカルダイヤルなんて呼ばれます)に焼けていたり。新品では絶対に出せない、その時計だけの歴史が刻まれているんです。
  • 現行品にはない「愛嬌」のあるデザイン 今のシュッとした感じも格好いいですが、昔のモデルはどこか人間味がある。少し小ぶりなケースだったり、ガラスじゃなくてぷっくりしたプラスチックの風防だったり。その「ちょっとレトロ」な感じが、逆に今すごく新鮮に見えるんですよ。
  • 「人と被らない」という、ささやかな優越感 「その時計、渋いね」なんて言われたら、嬉しいじゃないですか。誰もが知る定番モデルもいいけれど、「知る人ぞ知る」一本を選ぶ楽しみは格別です。

最新が最高、とは限りません。もしかしたら、傷の一つひとつに物語が感じられるような時計の方が、長く付き合える本当の相棒になるかもしれない。もし今のロレックスにピンと来ていなければ、一度、古き良き時代のモデルたちを覗いてみてはいかがでしょう。きっと新しい発見がありますよ。

デイトナなどモデル別の価格変動を解説

「ロレックスって色々あるけど、結局どのモデルが一番値上がりしたの?」って、やっぱり気になりますよね。その話になると、どうしても一人の「王様」の話をしないといけないんです。

もう、これは疑いようがないんですが、ロレックスという国の王様は、間違いなく「デイトナ」。他のモデルも王子様や騎士団長くらいには偉いんですけど、王様の価格の上がり方は、正直言って別格、というか異常事態ですね。

なぜデイトナだけがそこまで…? と思うかもしれませんが、一言でいうと、デイトナには「伝説」や「物語」が多すぎるんです。他のモデルが優秀なエリートだとしたら、デイトナは数々の伝説を持つ、まさに選ばれし者、といったところでしょうか。

もちろん、他のモデルがすごくない、なんてことは全くありません。それぞれにちゃんと個性と役割があるんです。ちょっと国の役職に例えてみると、こんな感じかもしれません。

モデル 例えるなら… 価格の上がり方
デイトナ 唯一無二の王様 爆発的。もはや異常事態レベル。
サブマリーナ 信頼の厚い騎士団長 堅実。安定してグングン伸びる。
GMTマスターII 華やかな宮廷魔術師 派手。人気カラーは常にプレミア。
エクスプローラー 質実剛健な近衛兵 遅咲き。最近、実力が再評価され急上昇。

ね、面白いでしょう? 王様(デイトナ)にはポール・ニューマンという伝説の俳優の物語があったり、騎士団長(サブマリーナ)はずっと第一線で戦ってきた歴史があったり。それぞれが背負ってきた物語が、今の価値につながっているんです。

ロレックスが昔は安かった状況からの変化

では、あの「古き良き時代」から、ロレックスを取り巻く状況はどのように変わってしまったのでしょうか。かつての適正価格は、今や見る影もありません。ここからは、現在のロレックス市場を形成している「価格高騰」の具体的な理由と、多くの人が気になる「今後の動向」、そして「今から狙えるモデル」について、より深く掘り下げていきます。

  • 価格高騰理由は世界情勢と投資熱
  • サブマリーナやデイトジャストも高騰
  • この高騰はいつまで続くか今後の予測
  • 今からでも買いやすいモデルを紹介

価格高騰理由は世界情勢と投資熱

なぜロレックスの価格は、これほどまでに高騰してしまったのでしょうか。その理由は一つではなく、近年の世界情勢の大きな変化と、それに伴う「投資」という新たな価値観の出現が複雑に絡み合っています。

最大の要因は、世界的な需要と供給のアンバランスです。

需要の爆発的な増加

近年、特に中国をはじめとするアジアの新興国で経済成長が著しく、新たな富裕層が数多く生まれました。彼らにとって、ロレックスは成功の証であり、最も分かりやすいステータスシンボルです。この世界規模での需要の爆発が、価格を押し上げる根本的な力となっています。

供給の制限

一方で、ロレックスは品質を維持するために、その生産本数を厳格に管理しています。需要がどれだけ増えても、急に生産量を増やすことはしません。この徹底した品質至上主義と希少性を保つブランド戦略が、市場での品薄状態を加速させています。さらに、2020年のコロナ禍ではスイスの工場が一時閉鎖に追い込まれ、供給不足に拍車をかけました。

「投資」対象としてのロレックス

このような状況下で、ロレックスは単なる腕時計ではなく、「現物資産」としての側面に注目が集まります。世界的な金融緩和で市場にお金が溢れる一方、銀行にお金を預けても金利はほとんど付きません。そこで、価値が下がりにくく、むしろ上昇が期待できるロレックスに投資マネーが流れ込みました。

「ロレックス投資」という言葉が生まれ、転売目的の購入も横行。本来の時計好きだけでなく、投資家や転売ヤーまでが市場に参入したことで、需要はさらに過熱。この「投資熱」が、現在の異常とも言える価格形成に大きく影響しているのです。

これらの要因が複合的に絡み合い、ロレックスはもはや単なる高級時計ではなく、世界経済の動向をも映し出す金融商品のような性質を帯びるに至った、というのが高騰の真相と言えるでしょう。

サブマリーナやデイトジャストも高騰

デイトナの価格高騰がメディアで頻繁に取り上げられるため、他のモデルはそうでもないのでは、と思う方もいるかもしれません。しかし、現実は異なります。ロレックスの定番中の定番であるサブマリーナやデイトジャストでさえ、この数年で大きく価値を上げています。

もはや価格高騰は、一部の特殊なモデルだけの話ではなく、ロレックスというブランド全体に及ぶ現象なのです。

例えば、多くの人がロレックスと聞いて思い浮かべるであろう「サブマリーナ デイト」。ダイバーズウォッチの完成形とも言えるこのモデルは、数十年にわたりデザインの基本を変えていません。その普遍性こそが人気の理由ですが、価格は決して普遍的ではありませんでした。

以下の表は、代表的なステンレスモデル「Ref.16610」の中古市場における価格推移の一例です。

時期 中古市場価格(目安)
2010年頃 40~50万円
2015年頃 60~70万円
2020年頃 100~120万円
現在 140~160万円

ご覧の通り、この10年余りで価格は3倍以上に跳ね上がっています。特に2017年以降の上昇カーブは非常に急です。

また、「デイトジャスト」も同様です。ステンレスとゴールドのコンビモデルなどは、かつて「おじさんの時計」といったイメージを持たれることもありましたが、そのクラシックな魅力が再評価されています。特に、文字盤のバリエーションが豊富で、自分だけの一本を探す楽しみがあることから、若い世代からも支持を集めています。中古市場では、数十年前のヴィンテージモデルでさえ、状態が良ければ購入時よりも高い価格で取引されるケースが珍しくありません。

このように、ロレックスであればどのモデルであっても、価値が下がりにくいという安心感が市場全体に浸透しています。その結果、デイトナを狙っていた層が、買えない代わりにサブマリーナやデイトジャストに流れるといった現象も起きており、ブランド全体の価格水準を押し上げる一因となっているのです。

この高騰はいつまで続くか今後の予測

「この値段、一体いつまで上がり続けるの?」「さすがにそろそろバブルが弾けるんじゃない?」…正直、一番知りたいのって、そこですよね。僕も毎日相場を見ていて、本当にそう思います。

未来のことなので断言はできない、というのが大前提ですが…。すごく言いにくいんですけど、「昔の、あの手頃だった頃の価格」には、もう戻らないと考えた方がよさそうです。タイムマシンでも発明されない限りは、ですね。

なぜかというと、売る側のロレックス自身が、今のこのブランド価値を「続ける気満々」だからなんです。

彼らは、もはや超人気アーティストみたいなもの。チケット(時計)の発売枚数をわざと絞って、公式リセール(認定中古)も自分で管理して、ブランド価値を絶対に下げないようにコントロールしているんです。

ロレックスが「値下げしない」と考えるワケ

  • 自分たちで価値を守っている 「安売りはしませんよ」という強い意志の表れですね。たくさん作らないし、自分たちで中古品まで管理し始めたので、市場価格が暴落しにくい構造になっています。
  • 世界中が「金庫」だと思っている もう、ただの時計じゃないんです。「何かあった時のための資産」として見ている人が世界中にいます。不思議なことに、世の中が不安になるほど「安全な資産を」と求める人が増えることもあります。

もちろん、大きな不景気が来たら?当然、一時的に値段が下がる「調整」はあり得ます。ずっと上がりっぱなしの株がないのと同じですね。

つまり、大暴落を期待して待ち続けるのは、ちょっと現実的じゃないかもしれません。でも、相場が少し落ち着く「買い時」は、今後もきっとやってきます。そのタイミングを見逃さずに、信頼できるお店でじっくり探してみる。それが今できる、一番賢い一歩ではないでしょうか。

今からでも買いやすいモデルを紹介

これまでの話を聞いて、「もう自分にはロレックスは縁のない時計だ」と諦めかけている方もいるかもしれません。確かに、デイトナやGMTマスターIIといった花形モデルを正規店で定価購入するのは、宝くじに当たるようなものです。

しかし、少し視野を広げてみれば、現在の市場でも比較的手に入れやすく、ロレックスの魅力を十分に味わえるモデルは存在します。

ここでは、これからロレックスのオーナーになりたい、という方におすすめのモデルをいくつか紹介します。

オイスターパーペチュアル

ロレックスの原点とも言える、最もシンプルで普遍的なモデルです。日付表示もない、時を刻むことだけに特化した潔いデザインは、どんな服装にもマッチし、飽きが来ません。2020年に発表された現行モデルは、豊富なカラーバリエーションの文字盤が魅力で、選ぶ楽しみもあります。他のプロフェッショナルモデルに比べて生産数が多く、中古市場でも比較的安定した価格で流通しています。まさに、最初の一本にふさわしい選択肢と言えるでしょう。

エアキング

もともとはパイロットウォッチとして生まれた歴史を持つモデルです。現行モデルは、グリーンの秒針とロゴが特徴的で、他のモデルにはない独特の個性を持っています。プロフェッショナルモデルに属しながらも、サブマリーナなどと比べると人気はやや落ち着いており、中古市場での価格も比較的抑えめです。スポーティーなデザインが好みで、少しだけ個性を主張したい方にはぴったりです。

ヴィンテージのデイトジャスト

現行品にこだわらないのであれば、製造から20~30年ほど経過したヴィンテージのデイトジャストは非常に魅力的な選択肢です。特に1980年代~90年代のモデル(Ref.16014やRef.16234など)は、デザインの完成度が高く、現在の目で見ても全く古さを感じさせません。個体数も多いため、100万円以下で状態の良いものを見つけることも十分に可能です。自分と同じ年に製造された時計を探す、なんていうのもロマンがあって素敵ですね。

これらのモデルは、決して「安い」わけではありません。しかし、他のモデルの異常な高騰ぶりを考えれば、まだ十分に「現実的」な価格でロレックスの世界への扉を開けてくれる存在なのです。

よくあるQ&A

Q、昔のロレックスは今のモデルより壊れやすいですか?

A、一概には言えませんが、やはり注意は必要です。特に防水性能は経年によりパッキンが劣化しているため、現行品と同じ感覚で水に触れるのは避けるべきです。また、古いムーブメントは衝撃に弱い傾向があります。ただ、定期的にオーバーホール(分解掃除)をしっかり行えば、50年以上前の時計でも元気に動き続けます。信頼できる専門店で購入し、メンテナンスを怠らないことが大切です。

Q、30年前に30万円で買ったデイトジャスト、今売るといくらになりますか?

A、モデルや状態、付属品の有無によって大きく変わりますが、かなりの高値が期待できます。例えばステンレスモデルのRef.16220であれば、状態が良ければ50万円~70万円、あるいはそれ以上の買取価格が付く可能性も十分にあります。購入した価格を大きく上回るリターンが見込めるのが、今のロレックスのすごいところです。

Q、そもそも、なぜ正規店で定価で買えないのですか?

A、需要が供給を圧倒的に上回っているからです。ロレックスは世界中から注文が殺到していますが、品質を維持するために生産本数を制限しています。そのため、各正規店に入荷する本数が非常に少なく、入荷しても上顧客などに優先的に回ってしまうため、一般の顧客が店頭で人気モデルに出会うことはほぼありません。この品薄感が、さらなる人気と中古市場での価格高騰を呼んでいます。

Q、ロレックス以外で、昔は安かったのに高騰した時計ブランドはありますか?

A、はい、いくつかあります。代表的なのは「パテック フィリップ」のノーチラスや、「オーデマ ピゲ」のロイヤルオークです。これらもロレックスと同様、あるいはそれ以上に価格が高騰しています。また、オメガのスピードマスターなども、特定のヴィンテージモデルはここ数年で価値が大きく上がっています。時計市場全体で、歴史と実力のあるブランドの価値が見直されている傾向にあります。

ロレックスが昔は安かった歴史の総括

この記事のポイントをまとめました

  1. ロレックスが昔は安かったのは事実であり、特に1990年代は多くの人気モデルが現在の数分の一の価格だった
  2. 当時はラグジュアリーな資産というより、高品質なスイス製の実用時計という位置づけが強かった
  3. 現在の価格高騰の最大の理由は、世界的な需要の爆発と、品質を維持するための厳格な供給制限にある
  4. 新興国の富裕層増加や、金融緩和による投資マネーの流入が需要をさらに加速させた
  5. デイトナを筆頭に、サブマリーナやデイトジャストなど定番モデルも軒並み価値が上昇している
  6. ロレックス自体が認定中古制度を始めるなど、ブランド価値を自らコントロールする動きを強めている
  7. 今後の価格が昔の水準に戻る可能性は極めて低く、長期的には価値は安定または上昇すると見られている
  8. 一方で、世界的な景気後退などがあれば、短期的な価格調整が起こる可能性は否定できない
  9. 現行品ではオイスターパーペチュアルやエアキングが比較的入手しやすいモデルとして挙げられる
  10. ヴィンテージのデイトジャストなども、100万円以下で狙える魅力的な選択肢の一つである

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