ロレックスのオーバーホールを正規店以外で!料金・選び方・注意点

ロレックスのオーバーホール、正規店へ出すのが当たり前と思っていませんか?実は、ロレックスのオーバーホールを正規店以外の修理業者に依頼する選択肢も、多くのオーナーにとって現実的で、賢い選択になり得ます。

ただ、いざ正規店以外で、と考えると「料金は安くなるんだろうけど、技術力は大丈夫?」「純正部品は使ってくれるのかな…」「その後の資産価値に影響は?」など、たくさんの疑問や不安が頭をよぎりますよね。失敗や後悔は絶対にしたくないものです。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、正規店以外でのオーバーホールに関するメリットやデメリットの比較から、信頼できる業者の選び方、気になる料金や納期、保証期間、さらには持ち込み方法や見積もりの取り方まで、あらゆる情報を網羅しました。

また、ヴィンテージモデルの注意点や、修理が真贋鑑定代わりになるのか、その後の正規サービスはどうなるのかといった、一歩踏み込んだ懸念点にもしっかりとお答えしていきます。

この記事でわかること
  • 正規店と正規店以外のメリット・デメリットが明確になる
  • 信頼できる修理業者の具体的な選び方が身につく
  • 料金や納期、保証に関するリアルな目安がわかる
  • 純正部品や資産価値など、気になる疑問が解消される
    目次

    ロレックスのオーバーホールを正規店以外へ出す基本情報

    「正規店以外」という選択肢、具体的にどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。まず最初に、料金や業者の選び方といった、多くの人が気になるであろう基本的な情報を整理していきましょう。ここを押さえておくだけでも、不安はかなり軽くなるはずです。

    • メリット・デメリットを徹底比較
    • 料金比較と見積もり取得の方法
    • おすすめできる修理業者の選び方
    • 修理後の保証期間と具体的な納期
    • 店舗への持ち込み方法と流れ

    メリット・デメリットを徹底比較

    正規店以外にオーバーホールを出すって、実際のところどうなの?と、誰もが思うところですよね。一番わかりやすいのは料金ですが、それ以外にも知っておくべきメリット、そしてもちろんデメリットも存在します。天秤にかけるためにも、まずは両方をしっかり見ていきましょう。

    正規店以外のメリット

    最大の魅力は、なんといっても費用の安さです。正規店と比べると、場合によっては半額近くまで費用を抑えられることも珍しくありません。これは、定期的なメンテナンスを考えると、とても大きなアドバンテージになります。

    次に挙げられるのが、納期の早さ。正規サービスだと1ヶ月半~2ヶ月、あるいはそれ以上かかることもありますが、修理業者なら3週間~1ヶ月程度で完了することが多いようです。普段使いしている一本なら、手元に戻ってくるのが早いのは嬉しいポイントですね。

    そして、意外と見落とせないのが柔軟な対応力です。例えば、アンティークウォッチの味のある文字盤や針を「交換したくない」と思っても、正規店では基準に満たないと判断されれば交換が必須になることがあります。その点、修理業者なら「この部品はオリジナルのまま残したい」といったオーナーの要望に耳を傾けてくれることが多いのです。これは、時計の個性を大切にしたい方にとっては非常に重要なことではないでしょうか。

    デメリットと注意点

    一方で、もちろん良いことばかりではありません。一番の懸念点は、業者による技術力の差が激しいことです。ロレックスは精密機械ですから、確かな技術を持った技術者がいるお店を選ばないと、かえって状態を悪化させてしまうリスクもゼロではありません。

    また、使用される部品が純正品ではない可能性も考慮する必要があります。優良な業者の多くは純正部品を使用しますが、中には安価な社外部品(ジェネリックパーツ)で対応するところも。社外部品が使われると、将来的に正規店での修理を断られる原因になりかねません。これは、時計の資産価値を考える上でも無視できない問題です。

    さらに、修理後の保証内容も業者によってまちまちです。正規店なら2年間の国際サービス保証が付きますが、修理業者の場合は1年保証が一般的。中には保証が短い、あるいは特定の状況下では保証対象外、なんてこともありますので、事前の確認が不可欠です。

    正規サービスと修理専門店の比較 | 比較項目 | 日本ロレックス(正規) | 修理専門店(正規店以外) | | :— | :— | :— | | 料金 | 高め | 比較的安い(半額程度のことも) | | 納期 | 長め(約1.5~2ヶ月) | 短め(約3~4週間) | | 部品 | 純正部品のみ | 純正・社外品(業者による) | | 対応の柔軟性 | 基準に準ずる(交換必須の場合あり) | 比較的柔軟(相談しやすい) | | 保証 | 2年間の国際サービス保証 | 店舗独自の保証(1年が多い) | | 安心感 | 非常に高い | 業者選びが重要になる |

    料金比較と見積もり取得の方法

    やはり一番気になるのは「で、結局いくらかかるの?」という部分ですよね。正規店以外を選ぶ大きな動機は、多くの場合コスト面にあるかと思います。ここでは、具体的な料金の目安と、後悔しないための見積もりの取り方について解説します。

    まず、料金の目安ですが、これはモデルの複雑さや状態によって大きく変わるのが正直なところです。ただ、一般的なステンレスモデルで特に大きな問題がなければ、という前提で比較してみましょう。

    主要モデルのオーバーホール料金目安

    モデル 日本ロレックス(正規) 修理専門店(正規店以外)
    デイトジャスト ¥93,500~ ¥27,500~
    エクスプローラーⅠ ¥99,000~ ¥27,500~
    サブマリーナー ¥99,000~ ¥27,500~
    GMTマスターⅡ ¥99,000~ ¥27,500~
    デイトナ ¥110,000~ ¥42,900~

    ※上記は2025年時点の基本料金の目安です。部品交換代は別途発生します。

    見ての通り、基本料金だけでもかなりの価格差があることがわかります。特にデイトナのようなクロノグラフ搭載モデルは、構造が複雑なぶん、その差も大きくなる傾向にあります。

    では、どうやって正確な料金を知るかというと、必ず複数の業者から見積もりを取ることが重要です。多くの優良業者は、無料で見積もりサービスを提供しています。その際、時計を送るための「無料梱包キット」を用意してくれるところがほとんどなので、手間もかかりません。

    見積もりを依頼する際は、単に総額だけを見るのではなく、その内訳をしっかりと確認しましょう。

    • オーバーホールの基本料金はいくらか
    • 交換が必要な部品は何か、その料金はいくらか
    • 部品は純正品か、社外品か
    • 外装の研磨(ポリッシュ)は料金に含まれるか、別料金か

    これらの点を明確にしてくれる業者は、信頼性が高いと言えます。逆に、見積もりが「一式」となっていて詳細が不透明な場合は、少し注意が必要かもしれません。「安いと思ったら、後から追加料金を請求された」なんてことにならないよう、事前に作業内容と料金を確定させることが、賢い業者選びの第一歩です。

    おすすめできる修理業者の選び方

    「料金が安いのはわかったけど、じゃあ何を基準に選べばいいの?」という声が聞こえてきそうです。安かろう悪かろうでは、大切なロレックスを預けることなんてできませんよね。ここでは、信頼できる優良業者を見分けるための、具体的なチェックポイントをいくつかご紹介します。

    在籍する技術者の資格と経歴

    まず確認したいのが、どんな人が作業をしてくれるのか、という点です。ウェブサイトなどで、**「1級時計修理技能士」「公認高級時計師(CMW)」**といった資格を持つ技術者が在籍しているかを確認しましょう。これらは時計修理における高い技術力を証明する国家資格や国際資格です。

    また、「元ロレックス技術者」や「メーカー修理部門出身」といった経歴を公開している業者も、安心材料の一つになります。専門的な知識と経験が豊富であることの証左と言えるでしょう。

    修理実績と利用者の口コミ

    年間の修理本数や、創業からの年数も信頼性を測るバロメーターになります。例えば、年間数万本の修理実績があるような業者は、それだけ多くのユーザーから支持されているということです。

    それに加えて、ネット上の口コミや評判も必ずチェックしましょう。公式サイトの良いことばかりが書かれた「お客様の声」だけでなく、Googleマップのレビューや個人のブログなど、より第三者的な視点からの意見が参考になります。もちろん、中には不当に低い評価もあるかもしれませんが、全体的な傾向を掴むことが大切です。

    修理内容と料金の透明性

    前述の通り、見積もりの内容が明確であることは非常に重要です。どの部品を交換し、それぞれにいくらかかるのかを詳細に提示してくれる業者を選びましょう。修理のプロセスを写真付きで報告してくれるようなサービスがあれば、さらに安心感が増しますね。

    料金体系がウェブサイトに明記されているかもポイントです。「基本料金〇〇円~」だけでなく、モデルごと、あるいは作業内容ごとの料金表がきちんと掲載されていれば、誠実な営業姿勢がうかがえます。

    保証とアフターサービス

    修理後の保証がどうなっているかも、必ず確認してください。最低でも1年間の動作保証が付いていることが望ましいです。保証の範囲(どんな故障が対象になるのか)や、保証期間内に再度不具合が出た場合の対応についても、事前に確認しておくと万が一の際に安心です。

    これらのポイントを総合的に判断すれば、きっとあなたのロレックスを安心して任せられる、良いパートナーが見つかるはずです。

    修理後の保証期間と具体的な納期

    オーバーホールに出した後、いつ手元に戻ってくるのか、そしてその後の保証はどうなっているのか。これは、オーナーにとって非常に現実的で重要な問題です。正規店と正規店以外では、この二つの点で違いが見られます。

    まず納期についてですが、これは先ほども少し触れた通り、正規店以外の方が早い傾向にあります。

    • 日本ロレックス(正規):約1ヶ月半~2ヶ月が目安。スイスから部品を取り寄せる必要がある特殊なモデルや、年末年始などの繁忙期は、3ヶ月以上かかることも。
    • 修理専門店(正規店以外):約3週間~1ヶ月が目安。部品の在庫状況や時計の状態にもよりますが、スピーディーな対応を売りにしている業者が多いです。

    なぜこれほどの差が出るかというと、正規サービスは世界中から集まる時計を厳格な手順と品質管理のもとで一つひとつ対応していくため、どうしても時間がかかってしまうのです。一方、修理専門店はより柔軟なワークフローで対応できるため、短納期が実現しやすい、という背景があります。毎日使う時計をなるべく早く手元に戻したい、という方には修理専門店が向いているかもしれません。

    次に保証期間です。これも両者で明確な違いがあります。

    • 日本ロレックス(正規):オーバーホール完了日から2年間の国際サービス保証が発行されます。これは、世界中のロレックスサービスセンターで有効な、非常に信頼性の高い保証です。
    • 修理専門店(正規店以外):業者独自の保証となり、1年間の動作保証が一般的です。優良店であれば、保証書をきちんと発行してくれます。

    保証内容で注意したいのは、「何を保証してくれるのか」という点です。通常、保証の対象となるのはオーバーホールを行った内部の機械(ムーブメント)の自然故障です。落下や衝撃による破損、磁気帯び、水の浸入といった、誤った使用方法による故障は、正規店・修理専門店を問わず保証対象外となるのが普通です。

    2年間の手厚い保証という「安心感」を取るか、1年保証でも「費用と納期」のメリットを取るか。どちらが良い、悪いということではなく、ご自身の価値観に合った方を選ぶことが大切になります。

    店舗への持ち込み方法と流れ

    「よし、正規店以外に頼んでみよう」と決めた後、次に気になるのは「どうやって依頼すればいいの?」という手続きの部分でしょう。主な依頼方法は「店舗への直接持ち込み」と「郵送(宅配便)」の2つです。

    店舗への直接持ち込み

    もし、お住まいの地域や職場の近くに信頼できそうな修理業者があれば、直接お店に持ち込むのがおすすめです。

    持ち込みのメリットは、何と言っても技術者やスタッフと顔を合わせて話せることです。時計の状態を実際に見てもらいながら、修理に関する要望を伝えたり、疑問点をその場で質問したりできます。時計に対する想いを直接伝えられるのは、大きな安心感につながりますよね。その場で簡易的な見積もりを出してくれることもあります。

    流れとしては、

    1. 店舗に時計を持っていく
    2. 受付で状態の確認と要望のヒアリング
    3. 後日、正式な見積もりが連絡される(またはその場で提示)
    4. 見積もりに納得すれば、修理を依頼
    5. 修理完了後、連絡を受けて店舗で受け取り、支払い

    という形が一般的です。

    郵送(宅配便)での依頼

    近くに良いお店がない、あるいは忙しくて店舗に行く時間がない、という方には郵送での依頼が便利です。今では多くの修理業者が、この宅配修理サービスをメインにしています。

    郵送のメリットは、全国どこからでも優良店に依頼できる点です。地方にお住まいの方でも、東京や大阪にあるトップクラスの業者にアクセスできます。

    依頼の流れは非常に簡単です。

    1. 業者のウェブサイトから「無料梱包(配送)キット」を申し込む
    2. 数日後、時計専用の箱や緩衝材、申込書、着払い伝票などがセットになったキットが自宅に届く
    3. 説明書に従って時計を梱包し、申込書を記入してポストに投函、または配送業者に集荷を依頼
    4. 時計が業者に到着後、1週間~10日ほどでメールや電話で見積もりの連絡が来る
    5. 内容に同意すれば修理が始まり、完了後に代金引換などで時計が返送される

    ほとんどの業者で往復の送料や見積もり料、キャンセル料は無料なので、気軽に相談できるのが魅力です。大切な時計を送ることに不安を感じるかもしれませんが、優良業者の梱包キットは輸送中の衝撃に耐えられるよう、非常によく考えられています。

    どちらの方法を選ぶにせよ、まずは気軽に問い合わせてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

    ロレックスのオーバーホールを正規店以外へ出す際の注意点

    さて、ここからは少し踏み込んだお話です。正規店以外でのオーバーホールを検討する上で、特に気になるであろういくつかの懸念点について、一つひとつ掘り下げていきます。「安くて早いのはいいけど、本当に大丈夫?」という最後の不安を解消していきましょう。

    • 純正部品での修理は可能なのか
    • 修理による資産価値への影響とは
    • ヴィンテージや正規店で断られた場合
    • 修理依頼で真贋鑑定はできるか
    • その後の正規サービス受付について
    • よくあるQ&A
    • ロレックスのオーバーホールは正規店以外も賢い選択肢

    純正部品での修理は可能なのか

    ここ、たぶん一番気になるところですよね。「安く直せても、中身が別物になったら意味ないじゃん!」って、僕も最初にオーバーホールを考えた時に一番悩んだポイントです。

    で、結論から言っちゃうと、腕のいい修理屋さんなら、純正部品での修理は可能です。ただ、話はそんなに単純じゃないのが、この世界の面白いところであり、また悩ましいところでもあります。

    パーツの入手ルートっていう裏側の話

    まず大前提として、日本ロレックスは街の時計屋さんに「はい、どうぞ」って純正パーツを卸してはくれません。これはもう、徹底されています。じゃあ、修理屋さんはどうやって純正パーツを手に入れているのかというと、そこはもう各社の企業努力としか言いようがない世界。独自のルートで海外から仕入れているのが実情らしいですね。

    だから、こんなことが起こります。

    • ゼンマイや歯車みたいな内部の消耗品は、比較的ストックが豊富
    • 逆に、リューズやベゼルみたいな外装パーツは、手に入りにくかったり、かえって高くなったりすることも

    つまり、「純正パーツでお願いします」と言っても、すべてのパーツが必ず揃うとは限らない、という可能性は頭の片隅に置いておく必要があります。

    じゃあ、僕らはどうすればいいのか?

    結局、僕らオーナーができることは、とにかく「確認すること」に尽きます。後で「知らなかった…」とならないために、以下の点は絶対に押さえておきましょう。

    • 見積もりの時に「交換パーツは全部、純正品ですか?」としつこいぐらい確認する。 ここで言葉を濁したり、「同等品です」みたいな表現が出てきたりしたら、要注意信号です。信頼できるお店は、この質問に「はい、純正品です」とハッキリ答えてくれます。
    • 「社外品(ジェネリックパーツ)なら安くできます」という提案をどう判断するか。 この甘い誘惑は、正直、かなり危険です。目先の数千円、数万円をケチって社外品を入れてしまうと、その時計はもうロレックスから「改造品」扱いされます。将来、やっぱり正規店で…と思っても、門前払いされてしまう可能性が非常に高いのです。

    結局のところ、これはもう価値観の問題なんですよね。時計のオリジナル性を保ち、資産価値を維持したいなら、純正部品にこだわるのは絶対条件。この一点だけは、譲らない方が賢明じゃないかな、と僕は思います。

    修理による資産価値への影響とは

    ロレックスって、ただの時計じゃないんですよね。腕に着ける資産、みたいな側面も大きいじゃないですか。だからこそ、「正規店以外でメンテして、売る時に価値が下がったらイヤだな…」って思うのは、すごく自然なことです。僕もやっぱり気になります。

    じゃあ実際、価値は下がるのか?と聞かれると、これがまた難しいところで。「やり方次第で、下がりもするし、そうでもない」というのが正直な答えかもしれません。ポイントは2つあります。

    まず「何をされたか」という中身の話

    まず、絶対に価値が下がるパターンから。これはもうシンプルで、純正じゃないパーツを使われることです。一箇所でも社外品が入れば、それはもう「改造品」。買取の世界では、問答無用でガクンと評価が下がってしまいます。

    あと、意外と見落としがちなのが「研磨(ポリッシュ)のやり方」。腕の良くないところでやると、エッジが丸まってしまって、時計全体のフォルムがぼやけてしまうことがあります。いわゆる**「ケース痩せ」**ってやつですね。これも、価値を下げる大きな要因になります。

    逆に言えば、信頼できるお店が、純正パーツだけを使い、時計のオリジナルフォルムを尊重しながら丁寧にメンテナンスしてくれれば、それ自体が価値を大きく損なうことにはなりにくい、というわけです。

    次に「お墨付き」があるかないかという証明の話

    ただ、ちゃんと修理したからOK!…とならないのが、この世界の奥深いところ。もう一つが、証明書、つまり**「お墨付き」があるかないか**、という話です。

    日本ロレックスでオーバーホールすると、「国際サービス保証書」というカードがもらえますよね。あれって、「この時計は本物で、ちゃんとウチでメンテしましたよ」っていうロレックスからのお墨付き。これが中古市場では、結構なブランド力を持ってるんです。安心感の証として、査定額にプラスに働くことが多いんですね。

    当然ですが、街の修理屋さんではこの保証書は発行されません。だから、たとえ中身が完璧にメンテされていても、「ロレックスのお墨付き」がないぶん、査定で少し弱くなってしまう可能性はあります。

    結局のところ、トレードオフなんですよね。完璧なリセールバリューを追求するなら、コストをかけてでも正規店。でも、「良いコンディションを長く保つことこそが一番の価値維持だ」と考えるなら、費用を抑えつつ信頼できる修理店に任せるのも、全然アリな選択だと思います。

    ヴィンテージや正規店で断られた場合

    「古いモデルなんだけど、修理してもらえるかな…」「一度、日本ロレックスに持ち込んだら修理を断られてしまった…」そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。実は、そんな時こそ正規店以外の修理専門店が頼りになるケースがあります。

    ヴィンテージモデルの注意点

    まず、ヴィンテージやアンティークと呼ばれる古いロレックスについて。日本ロレックスでは、生産終了から一定期間(約25~30年が目安)が経過したモデルは、交換部品の在庫がなくなり、修理受付を終了してしまいます。

    また、仮に部品があったとしても、経年変化で飴色になったトリチウム夜光の文字盤や針を、現行の光沢のあるものに問答無用で交換されてしまうことがあります。時計の性能としては正しくなりますが、ヴィンテージウォッチの醍醐味である「オリジナルの雰囲気」が失われ、コレクターズアイテムとしての価値が下がってしまうのです。

    このような場合、腕の良い修理専門店に相談すれば、オリジナルの部品を極力活かしつつ、必要な部分だけを修理・調整してくれることがあります。あるいは、世界中から根気よくオリジナルのパーツを探し出してくれるかもしれません。ヴィンテージロレックスの価値を理解し、その価値を維持する方向で修理を提案してくれる業者こそ、真のパートナーと言えるでしょう。

    正規店で修理を断られたケース

    日本ロレックスで修理を断られる理由は、モデルが古いことだけではありません。

    • 過去に他店で修理した形跡があり、社外品のパーツが使われている
    • 文字盤のカスタムなど、改造が施されている

    といった場合も、受付を拒否されます。

    このような「ワケあり」の時計でも、修理専門店なら対応してくれる可能性があります。もちろん、状態によっては修理不可能な場合もありますが、「もうこの時計はダメかもしれない…」と諦める前に、一度相談してみる価値は十分にあります。様々なブランド、様々な状態の時計を扱ってきた経験豊富な技術者なら、正規店とは違うアプローチで、あなたのロレ-タスを蘇らせる道を見つけてくれるかもしれません。

    修理依頼で真贋鑑定はできるか

    「中古で買ったこのロレックス、本物かな…?」そんな不安を抱えている方にとって、オーバーホールは真贋を確かめる良い機会になると言われます。これは、半分正しく、半分注意が必要な考え方です。

    まず、**日本ロレックスは「真贋鑑定」そのものを目的とした依頼は受け付けていません。**あくまで修理やオーバーホールを依頼し、その過程で本物かどうかが判明する、という流れになります。もし、偽物や改造品であった場合は、見積もりの連絡が来る前に「修理をお受けできません」という形で時計が返却されます。つまり、無事にオーバーホールが完了して国際サービス保証書が手元届けば、それは紛れもない本物であるという証明になります。

    では、正規店以外の修理専門店の場合はどうでしょうか。

    こちらも同様に、真贋鑑定そのものをサービスとして提供している業者は稀です。しかし、腕の良い経験豊富な技術者は、毎日数多くの時計を見ているため、偽物を見抜く目を持っています。時計を分解すれば、ムーブメントの作りや刻印の甘さなどから、本物か偽物かの判断はつくことが多いようです。

    そのため、修理の見積もりを依頼した際に「申し訳ありませんが、こちらは修理をお受けできません」と断られた場合、それは偽物である可能性を示唆しているかもしれません。

    ただし、注意点があります。修理専門店はあくまで「時計を修理する」のが仕事であり、真贋を「鑑定・保証」する機関ではありません。業者側もトラブルを避けるため、「偽物です」と断言することはまずないでしょう。

    したがって、正規店以外でのオーバーホールは、あくまで副次的に真贋の手がかりが得られる可能性がある、という程度に考えておくのが賢明です。確実に白黒つけたいのであれば、やはり日本ロレックスに一度見てもらうのが最も確実な方法と言えます。

    その後の正規サービス受付について

     

    正規店以外で一度オーバーホールをしたら、もう二度と日本ロレックスでは修理してもらえないのでしょうか?これは、将来的なことを考えると非常に重要な問題ですよね。

    この問いに対する答えは、**「どのような修理をしたかによる」**となります。

    最も重要な分かれ道は、社外品(非純正パーツ)が使われたかどうかです。 もし、ゼンマイ一本でも社外品に交換されてしまった場合、その時計はロレックスから「改造品」と見なされます。その結果、以降は日本ロレックスでの一切の修理・メンテナンスサービスが受けられなくなってしまいます。

    逆に言えば、交換部品をすべてロレックスの純正品で対応してくれる優良業者でオーバーホールを行った場合は、その後も日本ロレックスでサービスを受けられる可能性が高いです。

    ただし、100%ではありません。ロレックスの受付基準は非常に厳格で、たとえ純正部品が使われていても、ロレックス以外の技術者の手が加わった痕跡(オイルの種類や注油の仕方、ネジの締め方など)を理由に、何らかの見解を示される可能性もゼロとは言い切れないのが実情です。

    とはいえ、現実的には、信頼できる業者で純正部品を使った適切なメンテナンスが施されていれば、その後の正規サービスで問題になるケースは少ないようです。

    要するに、将来的に日本ロレックスを利用する可能性を残しておきたいのであれば、業者選びの際に**「純正部品のみを使用しているか」**を絶対的な条件として確認することが不可欠です。この一点を妥協してしまうと、後戻りはできなくなってしまいますので、くれぐれもご注意ください。

    よくあるQ&A

    Q. オーバーホールの理想的な頻度はどれくらいですか?

    A. 以前は5年~7年と言われていましたが、近年のロレックスは潤滑油の品質向上などもあり、公式ではおよそ10年に一度を推奨しています。ただし、使用頻度や環境によって時計への負荷は変わりますので、少しでも「遅れる」「進む」「異音がする」といった異常を感じたら、早めに点検してもらうのがおすすめです。

    Q. オーバーホールに保証書(ギャランティ)は必要ですか?

    A. いいえ、**オーバーホールに保証書は必要ありません。**購入時の保証書が必要になるのは、購入から5年間の保証期間内に、製造上の不具合が原因で故障した場合の無償修理を依頼するときだけです。通常のオーバーホールは有料のメンテナンスですので、時計本体さえあれば誰でも依頼できます。

    Q. 並行輸入品や中古品でも正規店でオーバーホールできますか?

    A. はい、**問題なく受け付けてもらえます。**ロレックスは購入経路(正規店か並行輸入店かなど)によってサービスに差を設けてはいません。ただし、その時計が本物であり、なおかつ社外パーツによる改造がされていないことが条件となります。

    Q. 研磨(ポリッシュ)はした方がいいのでしょうか?

    A. これは好みが分かれるところです。正規店では基本料金に外装の研磨が含まれており、時計は新品同様の輝きを取り戻します。一方で、修理専門店では研磨をオプションとして選択できる場合が多いです。日常でついた小傷も「味」と捉え、あえて研磨しない選択をするオーナーもいます。特にヴィンテージモデルの場合、過度な研磨はケースのエッジが丸まってしまい(いわゆる「ケース痩せ」)、価値を損なう原因にもなるため慎重な判断が必要です。

    ロレックスのオーバーホールは正規店以外も賢い選択肢

    この記事のポイントをまとめました

    1. 正規店以外の最大のメリットは料金の安さと納期の早さ
    2. デメリットは業者による技術力の差と非純正パーツのリスク
    3. 優良業者は技術者の資格や実績、料金の透明性で見極める
    4. 料金はモデルによるが正規店の半額以下になることも
    5. 必ず複数の業者から詳細な見積もりを取って比較する
    6. 純正部品で修理すればその後の資産価値への影響は限定的
    7. ヴィンテージなど正規店で断られた時計も修理できる可能性がある
    8. 社外品を使うと将来の正規サービスが受けられなくなる
    9. 保証期間や内容は業者によって異なるため事前確認が必須
    10. 最終的には何を重視するかというご自身の価値観で選ぶことが大切

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