ロレックスに興味を持ち始めた頃は、「一本あれば満足するはず」なんて思っていた人も多いのではないでしょうか。けれど、気がつけばモデル違いで揃えたくなったり、資産性や希少性に惹かれて次の一本を探していたり。いわゆるロレックス沼にハマる人たちは、その過程にしっかりと“理由”があるんです。
この記事では、なぜ気づいたらロレックスが増えていたのか、所有本数と満足度の関係、そしてヴィンテージや並行輸入の魅力まで、実体験をもとにリアルな目線で解きほぐしていきます。チューダーやオメガとの違いに迷っている方にもヒントになるかもしれません。どこまで追うか、どこで立ち止まるか。それを考えるきっかけになれば嬉しいです。
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ロレックス沼にハマる人の心理や共通点を知ることができる
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気づかぬうちにロレックスが増えていく理由を理解できる
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所有本数と満足度のバランスについて考え方を把握できる
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他ブランドと比較したロレックスの魅力を整理して理解できる
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沼との付き合い方や抜け出すためのヒントを知ることができる
ロレックス沼にはまる理由と向き合う
「気づいたらロレックスが増えてた」なんて話、ちょっと笑えるけど、実は珍しくないんです。それだけに魅力があるのは確かだけれど、一歩引いてみるといろんな感情が見えてくる。“好き”の裏側にある心理や背景、そして沼との心地よい距離感について考えてみませんか?
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なぜ気づいたらロレックスが増えていたのか
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最初の一本が人生を変えた体験談
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ロレックス沼あるあるに共感してしまう瞬間
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コレクション欲と所有満足度の深い関係
なぜ気づいたらロレックスが増えていたのか
正直、最初は“1本あればいい”と思っていました。それがいつの間にか、2本目、3本目と増えていって、「あれ?また買っちゃってる…」と気づくのが“ロレックス沼”のはじまりです。
私はそこまで物欲が強いタイプではないつもりでした。でもロレックスって、ただの時計じゃないんですよね。時間を知るための道具、というより「気分を上げる装置」みたいな側面があって。
それに、モデルごとに全然個性が違うんです。同じサブマリーナでも黒文字盤とグリーンベゼルじゃ印象がまるで違うし、デイトナに至っては「いつかは手に入れたい」っていう憧れ枠みたいな存在。こうなると、もう“買う”というより“集める”感覚に近い。
おまけに、周囲の時計好きとの情報交換が拍車をかけるんですよね。
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「あのモデルは今、プレミアついてるよ」
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「次に資産価値が上がるのはエクスプローラーIIかも」
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「正規店で入荷したら、即決すべき」
こんな話を聞いていると、“タイミングを逃したくない”という焦りも加わってきます。
しかもロレックスには「価格が落ちにくい」という安心感もあります。これはちょっと危険な安心感で、「どうせ売れるし」という言い訳になってしまうことも。結果、「今は資金繰りがちょっと…」と思いつつも、“とりあえず買っておこう”となってしまう。
もし、あなたが「いつの間にか2本目を買っていた」と感じているなら、けっこう多くの人が同じルートを辿っています。
実際、X(旧Twitter)やYouTubeでもロレックス沼について話している人が多いですし、「時計って一度ハマると終わりがない」と言う声もよく見かけます。
これは物欲じゃなくて、ある意味“ロマン”や“ストーリー”に惹かれているんじゃないかと私は思っています。
ただし、ここで注意点も。「1本目と同じ熱量で2本目以降を買えるか」は人によって違うし、生活に支障が出るレベルで増えているなら、それは見直すべきサインかもしれません。私は3本目を買ったとき、ふと「これ、自己満のコレクションが“義務”みたいになってきてないか?」と思ったんです。
だからこそ、今一度、自分に問い直してみるのがいいかもしれません。
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本当に欲しくて選んだのか
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それとも“買う流れ”に乗ってしまっただけか
こうして振り返ることも、ロレックス沼といい距離感で付き合うためには必要だと感じています。
最初の一本が人生を変えた体験談
「初めてロレックスを買った日って、なんだか今でも鮮明に覚えてるんですよね」。これ、実は僕だけじゃなくて、ロレックスユーザーの間ではよく聞く話です。たかが時計、されど時計。買う前までは“高級品を買う”というだけの行為だったのに、手にした瞬間にその意味が変わる。そんな感覚が、確かにありました。
私の場合、最初に選んだのはエクスプローラーIでした。派手すぎず、どこか凛とした佇まい。仕事用という建前で買ったけれど、内心では「これを着けている自分」に少し酔っていた部分もあります。ただ、それが不思議と悪い気はしなくて。ロレックスを腕に巻いて出社した最初の日は、朝から気分がシャキッとしました。時計ひとつで気持ちが変わるなんて、それまで想像もしなかったんです。
この“気分が変わる感覚”って、ロレックスの魅力を言葉にする上で本当に大きい。もちろん他の時計でも所有欲は満たせるし、満足度も高いものはたくさんあります。でもロレックスには「誰もが知っている」ブランドとしての説得力と、「手が届くけれど、簡単には買えない」という絶妙な距離感がある。そのバランスが、所有した時の充実感をより特別なものにしているように思います。
一方で、購入後に少し戸惑いもありました。やっぱり値段はそれなりにしますし、普段使いしていても「落としたらどうしよう」とか「ぶつけたら価値が落ちるんじゃないか」といった不安は常につきまとう。だからといって“特別な日だけ使う時計”にしてしまうと、それはそれで何のために買ったのか分からなくなる。所有してからも、使い方や付き合い方を探る時間が続いていくんです。
でも、それも含めて“ロレックスを持つ人生”なんだと思います。時計をひとつ買っただけなのに、自分の行動や思考が少しずつ変わっていく。たとえば…
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身だしなみを意識するようになった
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他人の腕時計に自然と目がいくようになった
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モノを選ぶ基準が「価格」から「価値」に変わった
こういう変化が起きたのは、間違いなくロレックスの存在が大きかったと感じています。高級時計というより、ライフスタイルそのものに影響を与えてくる。それが、最初の一本の「恐ろしさ」であり「面白さ」でもあるんじゃないでしょうか。
“あるある”に心当たりがある人ほど、ロレックスの魅力にしっかり触れている証拠かもしれません
ロレックス沼あるあるに共感してしまう瞬間
気づけば、他人の手首ばかり見てしまうようになっていました。初めはただ「ロレックス、かっこいいな」と思っていた程度だったのに、今では出会う人の時計をこっそりチェックする癖がついてしまっています。これはもう完全に“沼”の症状かもしれません。
ロレックス沼あるあるって、ほんとに共通していることが多いんです。たとえば…
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正規店の入荷情報を何度も見てしまう
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インスタやYouTubeで「ロレックス おすすめモデル」と検索する癖が抜けない
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一度手にしたモデルが“ゴール”ではなく、“入り口”に感じてくる
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複数本を持っている人のレビューに異様に食いついてしまう
こういうの、私も含めて周囲の時計好きはほとんど共通していて、もはや“通過儀礼”のようになっています。
そして厄介なのが、「ロレックスは資産になる」といった安心感が、購買意欲に拍車をかけてしまう点です。それなりの価格でも「価値が下がらないから大丈夫」と、自分に言い訳してしまうんですよね。私も、エクスプローラーIIを買ったときに「まあ、いざとなれば売ればいいし」と口にしていた記憶があります。
時計を持つこと自体が目的になる
もうひとつの“あるある”は、「時計を持つ理由がだんだん曖昧になってくること」です。最初は「記念に」とか「ビジネス用に」だったはずなのに、いつしか“欲しいから欲しい”状態に変わっていく。冷静に考えれば不思議ですが、ロレックスはそういう“感情で動かされる買い物”が起きやすいジャンルなんだと思います。
たとえば、「今のモデルよりデイトナのほうが資産性が高いかも?」とか、「グリーンサブなら他と被らない」とか、自分でもよくわからない理屈をつけて、次の1本を正当化してしまう。これもまた、多くの人が通る道です。
もちろん、そういった選び方がダメなわけではありません。でも、気がついたら「何のために持つんだっけ?」と立ち止まる瞬間も必要かもしれません。
私の場合は、3本目を買う前にちょっと考え直しました。これまで買った時計が、本当に満足できているか、使えているか。“所有=満足”ではないということに気づけたのは、少し冷静になれた瞬間だったように思います。
ロレックス沼の“あるある”は、裏を返せば「それだけ魅力的で、生活に入り込んでくる時計」という証拠。共感する瞬間が多いほど、あなたも確実にその魅力に触れているはずです。でも、それを楽しみつつも、自分のペースで向き合っていくことが大切なんだと、今は感じています。
満足感を上げたいなら「何本持ってるか」より「どう使っているか」に意識を向けてみよう
コレクション欲と所有満足度の深い関係
「もう1本あってもいいかな」。そのひと言が、時計を“集める対象”に変えてしまう始まりだったと思います。最初のロレックスを手にしたときの感動は、今でも鮮明に覚えています。でも不思議なことに、時間が経つにつれてその1本では“満たされなくなる”んですよね。
コレクション欲って、冷静に考えるとすごく個人的な感情です。それがロレックスの場合、妙に正当化しやすいんです。なぜなら資産性があるから。「買っても値落ちしない」「むしろ値上がりするかも」といった希望が、次の1本への言い訳になります。
実際、こんな風に考えてしまうことがよくあります。
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色違いで揃えたくなる(黒サブとグリーンサブとか)
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ベゼル素材やブレスの違いを比べてみたくなる
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用途を分ける口実で“仕事用”と“休日用”を買ってしまう
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デイトナやGMTなど、“所有してみたいモデル”が無限に出てくる
しかもSNSでは、ロレックスを複数所有している人がかなり多く見えます。これは危険です。なぜなら「自分もそこを目指さなきゃいけないのか?」という妙な焦燥感を生んでしまうから。私もその雰囲気に流されて、エクスプローラーIIを買った後、気づいたらサブマリーナも探し始めていました。
でも、コレクションが増えるほど、逆に“所有満足度”が下がることもあります。使わない時計が増え、管理も手間になり、「どれを着けようか」と悩む時間も増える。それがちょっとしたストレスになるんです。
所有は“持っていること”以上の意味を持つ
所有満足度って、実は本数とはあまり関係ないように感じます。1本をじっくり使い込んで、その変化や経年を楽しむ人もいれば、定期的に買い替えて“その時の気分”を味わう人もいる。それぞれに正解があっていいはず。
私は最近、改めて「この1本をどう育てていきたいか」を考えるようにしています。買ったときのエピソードを思い出したり、使い込む中で傷がついたところも含めて“自分だけの時計”になっていく過程に、ようやく愛着を持てるようになりました。
コレクション欲と満足感は、似ているようでまったく別物。増やすほどに満たされるとは限らない。それに気づけたのは、何本か買ったあとだったなと思います。今、時計を増やすかどうかで迷っている方がいたら、「本当に自分が欲しいのは本数?それとも物語?」という問いを、一度挟んでみてもいいかもしれません。
ロレックス沼の魅力と怖さを知る
たしかに、ロレックスって魅力が尽きないんですよね。モデルごとの個性や高揚感、持つ喜び…どれも強烈です。でも、その魅力がいつのまにか“ちょっとした怖さ”に変わる瞬間があるのも事実。なぜ惹かれて、どこで振り回されるのか――その境界を静かに見つめてみましょう。
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チューダーやオメガとどう違うのか
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ヴィンテージモデルが誘う終わりなき旅
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正規店と並行輸入で満足度は変わるのか
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沼の深さを決めるのは自分の価値観
チューダーやオメガとどう違うのか
ロレックスを買ってしばらくすると、ふと気になってくるのが「他のブランドってどうなんだろう?」という問いです。特に、チューダーやオメガは比較されることが多い存在。価格帯もロレックスより少し控えめで、手に取りやすい分、魅力も十分ある。でも、それでもなぜロレックスに惹かれ続けるのか——これ、時計好きの間では何度も話題になります。
私も以前、ブラックベイ(チューダー)を買おうか迷ったことがあります。デザインは格好いいし、質感も申し分ない。なにより「ロレックスの弟分」的な立ち位置という安心感がある。事実、チューダーはロレックスと同じハンス・ウイルスドルフ財団が設立したブランドで、かつては部品を共有していた時代もあります。だから作りも思想も“近い”んです。
オメガに関しては、ロレックスと並び称されるほどの歴史あるブランド。スピードマスターやシーマスターのような名作も多く、特にスピマスは“ムーンウォッチ”の名で知られ、ロマンが詰まっています。実際、オメガの良さは「時計としての機能性」や「スペックの高さ」に表れることが多い。
それでもなお、ロレックスを選んでしまうのはなぜか。私が感じたのは、「完成度の違い」と「言語化できないオーラ」でした。ロレックスはどのモデルを見ても、デザインのバランスがものすごく整っている。インデックスの配置、針の太さ、ケースの厚み。そのすべてが“ちょうどいい”。そして何より、“着けている自分に自信が持てる”んです。
オメガやチューダーのほうが、スペックだけを見れば優れている部分もあります。でも、ロレックスはスペック以上に「存在そのものがブランドになっている」という感覚があるんです。これは、価格や機能では測れない部分。
どちらが正解か、ではなく“どう付き合いたいか”
もちろん、どちらが上とか正解とか、そういう話ではありません。チューダーには“わかってる人が着ける”渋さがあるし、オメガには“語れる背景”がある。それぞれに確かな魅力があります。
だから、もし比較で迷っているなら、自分にこう問いかけてみてください。
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「この時計と、どんな時間を過ごしたいか」
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「誰に見せたいわけでもなく、自分が心から着けたいのはどれか」
その答えにロレックスが浮かんだのなら、あなたにとってはロレックスが正解。逆に、他ブランドに心が動くなら、それはそれで素敵な選択だと思います。選び方は“性能比較”ではなく、“価値観との相性”。それがラグジュアリーウォッチの面白いところなのかもしれません。
ヴィンテージモデルが誘う終わりなき旅
気づいたら、現行モデルじゃ物足りなくなっていたんです。きっかけは、とある知人が持っていた「1680 赤サブ」を見せてもらったことでした。エイジングしたベゼルの色味、夜光の焼け具合、ケースの小傷。そのすべてが“味”として成立していて、驚くほど魅力的に映ったのを覚えています。
ヴィンテージロレックスには、新品では得られない「時間の物語」が刻まれているんですよね。それが唯一無二の存在感になっていて、時計としての価値とは別の次元で、感情を動かしてくる。現行モデルの美しさとは違う、ちょっとした“荒削り感”や“クセ”があるところも含めて、まるで一本のアートのように感じてしまう。
でも、ここからが沼の本番だったりします。というのも、ヴィンテージモデルは個体差が激しい。製造年や保管状態、過去の修理歴によって価値が大きく変わるため、「知識がないと正しく選べない」世界なんです。
ヴィンテージモデルにハマる理由
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同じリファレンスでも年式によって価値が違う(例:16800の前期と後期)
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パーツのオリジナル度が価格に直結する(針・風防・ブレスなど)
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経年による焼けや傷が“むしろ味”として評価される
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探しているモデルがどこにも売っていないことが普通にある
私は一時期、ネットで「ヴィンテージ ロレックス 本物 見分け方」と検索しまくっていました。フォーラムを読み漁って、国内外の販売店の在庫を定点観測して…。でも、探せば探すほど「これは終わらない旅だ」と感じるようになったんです。
それでも、なぜ惹かれるのか?おそらくそれは、ヴィンテージモデルが**“自分だけの1本”という感覚を強く持たせてくれる**からだと思います。誰かの手を経て、自分の元にたどり着いた時計。そこには新品にはないストーリーが確実に存在する。
ただし、注意点もあります。ヴィンテージは扱いが繊細で、日常使いには気を遣う場面も多いです。メンテナンスのコストやリスクもあるし、オーバーホールの際に「パーツ交換されたら価値が下がる」というジレンマもある。なので、単純な所有欲で選ぶと後悔することも。
だからこそ、“終わりなき旅”なんですよね。ひとつ手に入れたら、次の1本、その次の1本へと目が向いてしまう。ロレックスのヴィンテージ市場は、気を抜くと本当に深い。だけど、それだけに、1本と出会えたときの感動もまた、深いものがあるんです。時計というより「物語」を買っている感覚。それがこの世界の、一番の魔力かもしれません。
ヴィンテージは知識と慎重さが必要。沼の中でもとくに深く、慎重に進んでこそ楽しめる領域
正規店と並行輸入で満足度は変わるのか
これはよく聞かれる話ですが、私自身も最初はすごく悩みました。ロレックスを買うなら「やっぱり正規店で買いたい」という気持ち、ありますよね。でも実際には、並行輸入のほうが入手しやすかったり、価格が少し抑えられていたりするケースもあって…そこが悩みどころ。
まず、正規店で買う最大の魅力は、「購入体験」にあると私は思っています。接客の丁寧さ、ブランドの世界観、そして“公式に選ばれた”という満足感。あの特別感はやはり、他にはないんですよね。とくに「ロレックスとの最初の出会い」にはぴったりです。
ただ現実は、どのモデルも“店頭にはほとんど並んでいない”という状況。人気モデルであればあるほど、「いつ入るかわかりません」「ご案内は難しいです」と言われることも少なくないですし、正直、その点で疲れてしまう人も多いのではと思います。
一方で並行輸入店の良さは、やはり“すぐ手に入る”という点に尽きます。モデルも豊富ですし、タイミングによっては正規店で買えないようなレアモデルにも出会えることがあります。保証面やアフターサービスについても、きちんと対応してくれる専門店が増えてきていて、以前より不安は少なくなっている印象です。
とはいえ、並行輸入には「価格が相場変動に敏感」「個体の状態に差がある」といったリスクもあります。たとえば、人気が一気に高まると値段が跳ね上がったり、逆に“ちょっとした使用感の違い”にモヤモヤしてしまうことも。
実際に両方で購入した私の実感
私はこれまで、正規店と並行輸入の両方でロレックスを買ったことがあります。正規で買ったときは、やっぱり嬉しかったですね。保証書にしっかり店名が入り、自分で手続きして手にしたという安心感は大きかったです。
一方、並行輸入で買ったGMTマスターIIは、欲しかったタイミングで“すぐ手に入った”ことが何よりありがたかった。個体も綺麗で、不満はありませんでした。値段は正直高かったけれど、「欲しいときに手に入る」ってやっぱり大事だなと思いました。
つまり、どちらが上かではなく、どちらが自分に合っているか。
「購入体験」を大切にしたいなら正規店。「欲しいモデルをすぐ着けたい」なら並行輸入。そう考えて、自分のスタンスに合った買い方を選ぶのが一番納得できる方法なのかもしれません。
どちらにも良さと弱点があります。だからこそ、自分がロレックスに何を求めているのか。それを一度立ち止まって考えるだけで、買ったあとに“じわじわくる満足感”が変わってくる気がします。
“どこで買うか”ではなく、“どう買いたいか”が満足度の差を生む
沼の深さを決めるのは自分の価値観
ロレックスを集める、という行為に正解はありません。何本持っていようが、どんなモデルを選ぼうが、それが自分にとって「いい選択」なら、それでいい。ただ、その“判断の軸”が他人の価値観に寄りすぎていると、ふとした瞬間に虚しさが込み上げてくる。これは私自身、痛感したことがあります。
最初は「この1本で十分」と思っていたのに、SNSや時計仲間の投稿を見ているうちに、どこか焦るような感情が芽生えてしまったんですよね。「この人は5本持ってるのに自分はまだ2本しかない」とか、「やっぱりデイトナ持ってないと一人前じゃないのかな」とか。いま思えば、ちょっとした見栄と不安が入り混じっていたんだと思います。
でも、よく考えると、沼の深さって“何本持ってるか”じゃないんですよね。
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自分が本当に気に入ってるかどうか
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実際に使い込んでいるかどうか
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その時計とどんな時間を過ごしてきたか
こういうところに、所有の意味や満足感って宿る気がします。10本持っていても飾ってるだけなら、それは“飾り”かもしれないし、1本でも日々身につけてるなら、それは立派な“相棒”だと思うんです。
他人基準を手放した瞬間が、沼との上手な付き合い方
私が“ちょっと冷静になれた”のは、知人に言われた何気ないひと言でした。「あんたさ、それ本当に欲しくて買ってる?」って。図星でした。いつの間にか、「買うこと」が目的になっていて、自分の本音を見失ってたんです。
そこから少しずつ、自分なりの基準を持つようになりました。たとえば、
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一度買った時計は最低1年は使ってみる
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「見せたい」より「使いたい」で選ぶ
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他人の評価を気にしすぎない
こういうルールがあるだけで、ずいぶん買い方や考え方が変わりました。正直、今でも「もう1本欲しいな」と思うことはあります。でも、そのときも「自分の価値観で欲しいと思ってるか?」を立ち止まって確認するようにしています。
沼にハマること自体は、決して悪いことじゃありません。むしろ、何かを深く好きになるってすごく豊かなこと。でも、どこまで潜るか、どこで浮上するか。その舵取りだけは、自分の感覚を信じたい。そんなふうに思っています。
ロレックス沼との付き合い方を考える
「このままでいいのかな…」と、ふと立ち止まる瞬間ってありませんか?楽しくて始めたはずの時計集めが、いつの間にか義務やプレッシャーになっていることも。そんなときこそ、自分にとっての“ちょうどいい距離感”を見つめ直してみたくなるものです。
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後悔しないためにできることとは
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売却やサブスクは抜け出す一歩になる?
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資産として考えると見えてくる現実
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沼との距離を見直すタイミングとは
後悔しないためにできることとは
ロレックスを買う、もしくは買い続ける上で、後悔ってやっぱりつきものです。
「勢いで買ったけどあまり使わなかった」とか、「ちょっと無理してローン組んでしまった」とか、人それぞれに“やらかしエピソード”があるのが、この世界の面白くて怖いところ。
私自身も、初めて買ったモデルが「当時はかっこいいと思ったけど、今はあんまり…」というケースがありました。とはいえ、それを“失敗”だと完全に思っているわけでもないんです。なぜなら、その1本があったから今の自分の好みや価値観がわかったとも言えるから。時計は使ってみて初めて見えてくることも多いので、完璧な選択を求めすぎないことも、後悔を減らすコツかもしれません。
ただ、事前にできる工夫はあります。具体的には以下のような視点を持っておくと、のちの後悔をかなり防げると感じています。
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「本当に欲しい理由」を書き出してみる(見栄?投資?自己満足?)
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予算に“余裕”を組み込む(ギリギリで買うと、後悔しやすい)
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過去の買い物パターンを振り返る(衝動買いが多い人は要注意)
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1週間待っても気持ちが変わらなければ買う(時間をおくと冷静になれる)
買わない、という選択肢も視野に
これはあまり語られませんが、「買わない選択をして良かった」と感じる場面もあります。私の場合、デイトナを買おうとして迷ったことがありました。タイミングも在庫も完璧だったのに、なぜか“ピンとこなかった”んです。結果、買わなかった。でもそれからというもの、その判断を後悔したことは一度もありません。
この感覚、言葉では説明しにくいんですけど、「欲しい」の奥にある本音に耳を傾けることができたのかなと。欲しいと思う気持ちと、買って満足する感覚って、実は別物なんですよね。
もちろん、買ったあとで「やっぱり違ったかも」と思うこともあります。それでも、「自分で考えて選んだ」こと自体が、その後の後悔を和らげてくれる。
誰かのおすすめでもなく、流行でもなく、「自分の時計」を持つためのプロセスこそが、いちばん大事だと思います。
後悔をゼロにすることは無理です。でも、減らすことはできる。それは、高い時計を買う前に、ほんの少し立ち止まるだけでいい。その数分が、きっと数年後の自分を助けてくれます。私が今、少しだけそう思えるようになったのは、何本かの“選択の結果”を積み重ねてきたからなのかもしれません。
売却やサブスクは抜け出す一歩になる?
ロレックス沼にどっぷり浸かってしばらくすると、「そろそろ手放すか?」というタイミングが訪れます。だけど、この“手放す”という行為が、意外と難しい。
なぜなら、「せっかく手に入れたのに…」「これは資産にもなるし…」といった気持ちが入り混じって、なかなか決断できないんですよね。私も最初に売却を考えたときは、軽い罪悪感みたいなものを感じていました。
ただ、今ならこう思います。売却もサブスクも、決して“諦め”じゃない。むしろ新しい選択肢だと。
ロレックスを“所有する”という価値観に縛られずに、もっと柔軟に楽しむ手段があるというのは、今の時代ならではだと感じています。
売却=失敗ではない、むしろ整理のひとつ
私は数年前に、初めて買ったエクスプローラーIを手放しました。すごく悩みましたが、実際に売ってみたら、不思議とすっきりした感覚があったんです。理由はシンプルで、「着けなくなっていたから」。クローゼットに眠らせておくくらいなら、誰かに使ってもらうほうがいいと感じたんですよね。
それに、買取価格を見て驚きました。ロレックスはやっぱり強い。買ったときとほとんど変わらない価格で売れたこともあって、「資産」として持っていた実感も得られました。
もちろん、売るにはタイミングや業者選びも重要です。最近では査定比較サービスも増えていて、LINE査定など気軽にできるものもあるので、いきなり持ち込むより、まずは相場を知っておくと安心です。
サブスクは“買うかどうか迷ってる人”にこそ合う
それと同じくらい面白いのが、高級時計のサブスクです。最近はロレックスを月額で使えるサービスも登場していて、実際に試してみた人の口コミを見ると、「思った以上に気楽でよかった」という声も多いんです。
私も一度、グリーンサブをサブスクで使ってみましたが、これは本当にアリだと思いました。
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“所有の責任”がないので気楽
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気に入ったらそのまま購入もできる
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「着けてみてから決めたい」人にとっては最適
ただし、当然ながらキズや破損に対する保証範囲は要チェックです。すべてのサービスが同じ内容ではないので、利用する前に比較しておくことをおすすめします。
売却やサブスクは、“ロレックスを手放す”というよりも、「ロレックスとの付き合い方を変える」ための方法だと思っています。
熱が冷めたわけじゃなく、もっと良い距離感で楽しむための一歩。そう捉えられるようになると、「手放す=後ろ向き」というイメージも、少しずつ変わってきました。
今もし、「そろそろ身軽になりたい」「でも後悔したくない」と思っているなら、まずは情報を集めてみてください。売らずに貸す、貸してから選ぶ。そんな時代が来てるんですから。
売却やサブスクは“後ろ向き”ではなく、“新しい楽しみ方”と考えると選択肢が広がる
資産として考えると見えてくる現実
「ロレックスは資産になる」。このフレーズ、ここ数年でずいぶん定着しましたよね。確かに、数年前に比べて市場価格が高騰したモデルも多く、私の周りでも「買っておけばよかった」と言っている人が後を絶ちません。でも、だからこそ冷静に捉え直すべき視点があると思っています。
私自身、最初のうちは“時計=趣味の延長”くらいにしか思っていませんでした。でも、エクスプローラーIIを買ったあとに中古相場を見て「え、買ったときより上がってるの?」と驚いた経験から、ちょっと考えが変わったんです。そこから「どうせなら価値が落ちにくいモデルを選びたい」と思うようになって、自然と**“資産としての側面”**を意識し始めました。
資産的価値としてのロレックス、何が違う?
ロレックスが他ブランドと違うのは、ただ“高い”だけじゃないところ。以下のような要素が、資産として成立させている大きな理由です。
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流通量と市場の厚み:中古市場でも一定の流動性があり、換金性が高い
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定番モデルの安定した人気:サブマリーナやデイトナなどは需要が尽きにくい
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ブランドの世界的な認知度:海外でも価値が通用しやすい
さらに、モデルによっては“製造期間の短さ”や“ダイヤルの希少性”などが評価され、購入時の価格を大きく上回るケースも存在します。とくに2020年代初頭は、世界的な金融緩和や投資熱も相まって、「実物資産」として注目されるようになった背景があります。
でも、万能ではない。資産としての“落とし穴”
とはいえ、「持っておけば儲かる」という話ではありません。むしろ最近は相場の冷え込みや横ばい傾向が見られるモデルも増えており、“絶対に値上がりする”という前提で買うのはリスクが高い。私が見てきた中でも、「高値掴みしてしまった」「売るタイミングを逃した」という人は多くいます。
それに、保管やメンテナンスにもコストがかかるんですよね。オーバーホールは正規で出せば10万円以上かかることもあるし、湿気や磁気に弱い環境に放置すれば、内部の状態も劣化してしまいます。だからこそ、“資産化”にはちゃんと管理する手間と知識も必要になります。
結局、ロレックスは“資産になりうる”けれど、“投資商品”ではないということ。
価値が落ちにくいのは確かだけれど、それを目的にすると満足感が薄れてしまうこともある。私が感じているのは、「資産になるから欲しい」じゃなくて、「好きで選んだものが、結果として資産にもなった」くらいが、ちょうどいい距離感なのかなということです。
今後の価格動向や世界経済の影響も読めない時代。そんな中で、“自分が納得して所有できるか”という視点こそが、最も堅実な資産価値をつくるんじゃないかと思っています。ロレックスを資産として考えるなら、まずは感情と現実のバランスを整えること。それが本当の意味で“後悔しない持ち方”につながると感じています。
沼との距離を見直すタイミングとは
ロレックスが1本増え、2本になり、気づけば「次はどれにしようか」と考えている――この流れに心当たりがある人は少なくないはずです。私もそうでした。モデルのラインナップや市場動向を追うことが日課になり、Instagramで#ロレックス沼と検索するようになっていた頃、「あれ、ちょっと疲れてきたかも」と感じた瞬間がありました。
ロレックスに夢中になること自体は、全然悪いことではないと思います。むしろ、あの精巧さや歴史、美しさに惹かれるのは自然な流れ。ただ、その熱が“いつのまにかストレスになっている”ことに気づけないと、時計が好きだったはずの気持ちが、いつのまにか“義務”のようになってしまう。
こんなときは、一度立ち止まってみてもいい
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「手放したくない」のか「手放すのが怖い」のかが分からなくなっている
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着けるより、保管している時間のほうが長くなってきた
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価格変動が気になって、純粋に楽しめていない
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新作や限定品の情報に追われるのがしんどい
こういう感覚、実は多くの時計好きが経験しているんじゃないかと思います。私も、サブマリーナを買ってからしばらくは「これで終わり」と言っていたのに、2年後にはGMTマスターIIを狙い始めていました。でも、ふと「これって、自分が欲しいのか、周りの流れに乗ってるだけなのか」がわからなくなったんです。
そこで私は、あえて時計に触れない期間を作ってみました。SNSも見ない、相場も追わない、時計を着けるのも最小限。最初はソワソワしましたが、2週間くらい経つと逆にスッキリしてきたんですよね。そこから改めて、「今、自分にとって必要なのはこの1本だけかも」と気づくことができました。
沼にハマるのも人生、でも抜けるのも選択
“ロレックス沼”という言葉には、少し中毒性があるような響きがあります。確かに、次々と欲しくなる気持ち、理解できますし、それが楽しい時期もあります。でも、それが自分のペースを乱すようになったとき、少し距離をとってみることは決して逃げではありません。
むしろ、距離を取って見えてくることのほうが多かったりします。自分がどんなモデルに本当に惹かれていたのか、何のために持っていたのか。私にとっては、“持っている数”ではなく、“使っている時間の豊かさ”こそが、ロレックスを持つ意味だと再確認できた貴重な時間でした。
沼との付き合い方にルールはありません。でも、もし今ちょっとでもモヤモヤしているなら、それは見直しの合図かもしれません。離れる勇気も、時計好きの成熟の一部。そう思えるようになってから、私はもっと自然体でロレックスと向き合えるようになった気がします。
総括:ロレックス沼にはまる理由と向き合うために知っておきたいこと
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気づけばロレックスが増えていたという声は少なくない
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最初の1本で人生観が変わったという体験談が多く見られる
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所有することで得られる“高揚感”は他ブランドにない魅力
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正規店の入手難易度が購買意欲に火をつける側面もある
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コレクション欲が満足感と結びつくとは限らない点に注意
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沼の“あるある”として他人の手首が気になるという共通体験が挙げられる
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チューダーやオメガとは“完成度のオーラ”で差別化されている
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ヴィンテージモデルは唯一無二の味があり“終わりなき旅”になりやすい
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並行輸入と正規店の違いは購入体験の質と価格差に現れる
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所有の満足度は本数より“付き合い方”で決まると感じた
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購入後の後悔を減らすには“なぜ欲しいのか”を言語化すべき
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売却やサブスクは“柔軟な選択肢”として捉えるのが現代的
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資産価値に惹かれる一方で、“投資感覚”には冷静さも必要
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熱が冷めかけたときは“距離を取る勇気”も大切だと感じた
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沼との付き合い方は人それぞれであり、正解はひとつではない
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