ロレックスのワインディングマシーンについて!回転方向の正解は?

大切なロレックス、使いたいときに止まっていると少しがっかりしますよね。そんな時に便利なのがワインディングマシーンですが、いざ使おうとすると「ロレックスのワインディングマシーンの回転方向ってどっちが正解?」という疑問にぶつかります。

そもそも必要性はあるのか、どんなメリットやデメリットがあるのかも気になるところ。使い方や回転数を間違えて、故障の原因になったら大変です。

この記事では、ロレックスのモデル別の特性も踏まえつつ、両巻きとは何か、その調べ方から、最適なマシーンの選び方までを解説します。純正品はあるのか、気になる磁気の影響や静音性、長く使うためのメンテナンス方法まで、あなたの疑問にトータルでお答えしていきます。

この記事でわかること
  • ロレックスに最適な回転方向とその調べ方がわかる
  • モデルの特性に合わせたマシーンの選び方が理解できる
  • メリット・デメリットを知り、後悔のない選択ができる
  • 故障を防ぐ正しい使い方やメンテナンスのコツが身につく
目次

ロレックスのワインディングマシーンにおける回転方向の基本

ロレックスをワインディングマシーンにセットする上で、まず最初に知っておきたい基本的な知識があります。回転の向きや回数、そもそも使うことのメリット・デメリットなど、基本的な部分をしっかり押さえておくことが、大切な時計を良い状態で保つための第一歩になります。

  • 両巻き?片巻き?回転方向の調べ方
  • 適切な回転数と基本的な使い方
  • ワインディングマシーンのメリットとは
  • 知っておきたいデメリットと注意点
  • そもそも本当に必要性はあるのか

両巻き?片巻き?回転方向の調べ方

ワインディングマシーンを選ぶ上で、おそらく一番最初に「?」となるのが、この回転方向じゃないかなと思います。「右に回せばいいの?左?それともどっちでもいいの?」と迷ってしまいますよね。

まず知っておいてほしいのは、現行のロレックスのムーブメントは、そのほとんどが「両巻き(両方向回転)」を採用しているということです。これは、内部のローターが右に回っても左に回っても、どちらの動きでもゼンマイが巻き上げられる仕組みになっています。だから、神経質に「絶対にこっち!」と決める必要はあまりない、というのが実際のところなんですよね。

ただ、これはあくまで「ほとんどのモデル」の話。例えば、ヴィンテージやアンティークと呼ばれるような古いモデルの中には、片方向にしか巻き上げられない「片巻き」のムーブメントも存在します。そのため、「自分のロレックスは大丈夫」と一括りにせず、一度確認しておくのが安心です。

具体的な調べ方

では、どうやって自分の時計の回転方向を調べるのか。一番確実なのは、専門のデータベースサイトを利用する方法です。例えば、ワインディングマシーンの老舗メーカーであるORBITA(オービタ)社の公式サイトには、各時計ブランドのモデルやキャリバー(ムーブメントの型番)ごとに、推奨される回転方向や回転数を調べられるデータベースが公開されています。

表記 英語 意味
CW Clockwise 右巻き(時計回り)
CCW Counter Clockwise 左巻き(反時計回り)
BOTH Bidirectional 両方向巻き

このサイトで自分の持っているロレックスのモデル名やリファレンスナンバーを検索すれば、CW(時計回り)、CCW(反時計回り)、BOTH(両方向)のどれに該当するかが一目でわかります。ほとんどのロレックスは「BOTH」と表示されるはずですが、念のために確認する、という一手間が、後々の安心につながります。

もしデータベースで見つからない場合や、もっと手軽に知りたい場合は、時計をゆっくりと手で回してみるという方法もあります。シースルーバックのモデルならローターの動きを見ながら、そうでなくても耳を澄ませば、巻き上げ機構が作動する「ジーッ」という音がする方向がわかることがあります。力がかかる、あるいは音がする方向が、その時計の巻き上げ方向というわけです。

適切な回転数と基本的な使い方

回転方向と並んで大切なのが、「どれくらい回せばいいのか」という回転数(TPD:Turns Per Day)です。これも多すぎても少なすぎてもいけません。多すぎれば部品の不要な摩耗につながり、少なすぎればゼンマイが巻き上がらずに止まってしまいます。

ロレックスの場合、一般的に1日あたり650~850回転が適切な範囲とされています。もちろん、これもモデルや使用状況によって微妙に変わりますが、多くのワインディングマシーンはこの範囲で設定できるようになっているので、まずはこの数値を基準に考えておけば大きな問題はありません。

大切なのは、**「常に満タンに巻き上げ続ける必要はない」**と理解しておくことです。時計は常に100%の力で動き続けるように設計されているわけではなく、ある程度ゼンマイが巻かれていれば精度を保って動き続けます。過剰な巻き上げは、むしろ時計に負担をかける行為だと覚えておきましょう。

基本的な使い方と注意点

使い方は非常にシンプルですが、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

  1. 時計をしっかり固定する: マシーンのホルダーに時計をセットする際は、グラつかないように、でも無理な力がかからないように、きっちりと固定します。回転中にズレたりすると、時計に傷がついたり、うまく巻き上がらなかったりする原因になります。
  2. 回転プログラムを設定する: 前述の通り、ロレックスなら「両方向回転」モードで、回転数は650~850TPDあたりに設定するのが基本です。マシーンによっては、一定時間回転しては休止する、というサイクルを繰り返す「間欠運転モード」が搭載されているものもあります。24時間回しっぱなしにするよりも、こうしたモードを活用する方が時計への負担は少なくなります。
  3. 止め忘れに注意: 意外とやってしまいがちなのが、電源の切り忘れです。特にタイマー機能がないマシーンの場合、数日間家を空ける際などは注意が必要です。必要以上に動かし続けることは、部品の摩耗を早めるだけなので、タイマー付きのコンセントを使うなど、自分なりに工夫するのも良い方法です。

難しく考える必要はありませんが、こうした小さな配慮が、お気に入りのロレックスを長く良い状態で保つ秘訣になります。

ワインディングマシーンのメリットとは

ワインディングマシーンの購入を考えるとき、「本当に買うほどのメリットがあるのかな?」と感じる方は少なくないと思います。確かに、毎日同じ時計を着ける人にとっては、あまり必要性を感じないかもしれません。ですが、複数の時計を使い分けていたり、着ける機会が不定期だったりする方にとっては、思った以上に多くの利点があります。

一番わかりやすいメリットは、いざ使いたいときに時刻や日付を合わせる手間がなくなることでしょう。特に、日付だけでなく曜日や月まで表示する複雑なカレンダー機能が付いたモデルだと、一度止まってしまうと再設定がかなり面倒です。その手間から解放されるだけでも、精神的なストレスは大きく減ります。

しかし、メリットはそれだけではありません。時計の内部機構、つまりムーブメントのコンディションを良好に保つ、という重要な役割も担っています。

機械油の劣化を防ぐ

機械式時計の内部では、たくさんの歯車が噛み合って動いており、それらの摩耗を防ぐために潤滑油(機械油)が使われています。時計を長期間動かさずに放置すると、この油が重力で偏ったり、粘り気が出て固まってしまったりすることがあるのです。

油が固まると、部品の動きがスムーズでなくなり、時計の精度が落ちる原因になります。最悪の場合、部品同士が直接こすれて摩耗し、故障につながることも考えられます。ワインディングマシーンで定期的に時計を動かしてあげることは、内部の油を循環させ、固着や偏りを防ぐ効果が期待できるのです。これは、時計のオーバーホール(分解掃除)までの期間を健康に保つ上でも、地味ながら非常に大切なポイントといえます。

観賞用としての魅力

そして、もう一つ見逃せないのが、コレクションをおしゃれに飾るインテリアとしての側面です。デザイン性の高いワインディングマシーンに収められたロレックスが、静かに回転している様子は、それ自体が非常に美しい光景です。ただ箱にしまっておくのではなく、「見せる収納」として楽しむことができます。時計好きにとっては、自分のお気に入りのコレクションを眺めながら過ごす時間は、何物にも代えがたい喜びを与えてくれるはずです。

知っておきたいデメリットと注意点

メリットがあれば、もちろんデメリットや注意すべき点も存在します。ワインディングマシーンは便利なアイテムですが、その特性を理解せずに使っていると、かえって時計の寿命を縮めてしまう可能性もゼロではありません。購入を検討するなら、良い面だけでなく、こうしたリスクもしっかりと把握しておくことが大切です。

最も懸念されるのは、部品の摩耗が早まる可能性です。これはある意味、メリットの裏返しと言えます。時計を動かし続けるということは、それだけ内部の歯車やパーツが常に作動している状態だということです。車で例えるなら、車庫に停めておくのと、常にアイドリングさせている状態の違い、と考えると分かりやすいかもしれません。

もちろん、通常使用の範囲内であれば問題ありませんが、前述の通り、必要以上に高い回転数で24時間365日動かし続けるような使い方は、明らかに過剰な負荷となります。部品が摩耗すれば、その分オーバーホール(分解掃除)の時期が早まる可能性も出てきます。このリスクを軽減するためには、やはり適切な回転数を守り、間欠運転モードなどを活用して、時計を「休ませる」時間を作ってあげることが重要です。

磁気帯びのリスク

次に考えられるのが、磁気のリスクです。ワインディングマシーンはモーターで動いているため、少なからず磁気を発生させます。そして、機械式時計は磁気に非常に弱く、内部のヒゲゼンマイなどが磁化してしまうと、時間が大幅に進んだり遅れたりする「磁気帯び」という状態になってしまいます。

ただ、これに関しては過度に心配する必要はないかもしれません。信頼できるメーカーの製品であれば、モーター部分に磁気シールドを施すなど、時計に影響が出ないように対策されているのが一般的です。しかし、あまりに安価な製品や、どこのメーカーか分からないようなものの中には、この対策が不十分なものも存在します。大切なロレックスを守るためにも、極端に安い製品は避け、実績のあるメーカーのものを選ぶのが賢明です。

マシーン自体の耐久性

最後に、ワインディングマシーンそのものが故障する可能性です。これもまた、モーターで動く機械である以上、避けては通れません。特に、複雑な動きをする割に、モーター自体はそれほど強力なものではないため、数年で動作音が大きくなったり、回転が不安定になったりすることもあります。早ければ数ヶ月で動かなくなるケースもあるようです。

高価な時計を預ける機器だからこそ、マシーン自体の品質や耐久性、そしてメーカーの保証体制などもしっかりと確認しておきたいポイントです。

そもそも本当に必要性はあるのか

ここまでメリットとデメリットをお話ししてきましたが、結局のところ「ワインディングマシーンって、本当に必要なの?」という疑問が残るかもしれません。これは非常に的を射た問いで、答えは「人による」というのが最も正直なところです。

例えば、1本のロレックスをほぼ毎日、仕事でもプライベートでも身に着けている、という方であれば、おそらく必要性は低いでしょう。日常の腕の動きだけでゼンマイは十分に巻き上げられますし、週末に2日ほど外しておいても、モデルによっては動き続けてくれます。

一方で、以下のような方にとっては、ワインディングマシーンは非常に役立つアイテムになります。

  • 複数の腕時計を所有し、日によって使い分けている方
  • ロレックスを着けるのが週末や特別な日だけ、という方
  • 日付や曜日表示のあるモデルを持っていて、再設定が面倒だと感じる方
  • 時計をコレクションとして、美しく飾っておきたい方

要するに、時計が止まってしまう機会が多いかどうか、そしてそれを不便に感じるかどうかが、一つの判断基準になります。

ロレックス自身も、「ワインディングマシーンを必ず使ってください」とは推奨していません。むしろ、長期間使わないのであれば、無理に動かし続けるよりも、一度止めておいて、次に使うときに時刻を合わせる方が時計への負担は少ない、という考え方もあります。

結局のところ、ワインディングマシーンは「必需品」ではなく、あくまで「時計との付き合い方をより快適にするための補助的なアイテム」という位置づけです。自分のライフスタイルや、時計とどう向き合いたいかを考えて、導入するかどうかを決めるのが一番良い方法だと思います。

ロレックス用ワインディングマシーンの回転方向と賢い選び方

基本的な知識が頭に入ったところで、次は実践編です。実際に自分のロレックスに合った一台を選ぶには、どのような点に注目すれば良いのでしょうか。デザインや価格はもちろんですが、大切な時計を預ける以上、機能面もしっかりとチェックしておきたいところです。ここでは、賢い選び方のポイントを具体的に解説していきます。

  • モデル別に最適なマシーンの選び方
  • ロレックス純正マシーンは存在する?
  • 寝室でも安心な静音性の重要ポイント
  • 磁気帯びによる故障のリスクについて
  • 長持ちさせるためのメンテナンス方法
  • よくあるQ&A
  • ロレックスのワインディングマシーンで回転方向に迷ったら

モデル別に最適なマシーンの選び方

「ロレックス」と一括りに言っても、その中には様々なモデルが存在します。デイトジャストのようにシンプルなものから、ヨットマスターIIのような複雑な機構を持つものまで多岐にわたります。どのモデルにどのマシーンが、と厳密に決まっているわけではありませんが、モデルの特性によって、マシーン選びのポイントが少し変わってきます。

まず考えたいのが、カレンダー機能の複雑さです。例えば、日付表示のみの「デイトジャスト」や「サブマリーナー」であれば、止まってもリューズを少し回せば日付の再設定はすぐに終わります。しかし、年次カレンダーを搭載した「スカイドゥエラー」のようなモデルになると、一度止めてしまうと再設定に手間がかかります。こうした複雑な機能を持つモデルほど、ワインディングマシーンで動かし続けるメリットは大きいと言えます。

機能面での選び方のポイント

モデルの特性と合わせて、マシーン自体の機能にも目を向けてみましょう。

  • 収納本数: 当然ですが、所有している時計の数に合わせるのが基本です。1本用から、2本、4本、さらにはそれ以上を収納できるタワー型のものまで様々です。将来的にコレクションが増えることを見越して、少し余裕のあるものを選ぶのも一つの手です。ただし、収納本数が増えるほど価格も上がり、設置スペースも必要になる点は考慮しましょう。
  • 給電方法: 主に「ACアダプター(コンセント式)」と「乾電池式」の2種類があります。コンセント式はパワーが安定しており、長時間の使用に向いています。一方、乾電池式はコードレスなので、コンセントのない場所や金庫の中など、どこにでも置けるのが魅力です。使用する場所や頻度に合わせて、自分のライフスタイルに合った方を選びましょう。
  • 各種設定機能: 回転方向(右・左・両方)や回転数を細かく設定できるかどうかも重要なポイントです。ロレックス以外のブランドの時計も一緒に使いたい場合などは、それぞれの時計に最適な設定ができる、高機能なモデルが重宝します。

ロレックス純正マシーンは存在する?

そりゃあ、やっぱり気になりますよね、「純正品」。大切なロレックスだからこそ、ワインディングマシーンもあの王冠マークが入った公式のもので揃えたい、って思うのはすごく自然なことだと思います。僕もそう思いますし、あの統一感って、所有する喜びを何倍にもしてくれますから。

で、結論から言ってしまうと、ちょっと残念なお知らせなんですが、現在、ロレックスが公式にワインディングマシーンを販売してはいないんです。なので、正規店に行って「ワインディングマシーンください」と言っても、「申し訳ございません…」となってしまうのが現実です。

幻のノベルティ品は存在する?

ただ、話がここで終わらないのがロレックスの面白いところ。「じゃあ、一切存在しないの?」と聞かれると、実はそうでもないんです。

過去には、一般向けに販売されていたわけではないのですが、ごく一部の顧客へのギフトや、特別なイベントなどで配られた**「ノベルティ品」としての純正マシーンは存在した**と言われています。

いわば、市場には出回らない幻のアイテム。もし中古市場で見かけることがあったとしても、それはとんでもないプレミア価格がついていることがほとんどです。コレクションとしての価値は計り知れませんが、実用品として手に入れるのは、なかなか現実的ではないかもしれませんね。

じゃあ、僕らはどうすればいいのかというと、選択肢は大きく分けて2つです。

  • 信頼できる他社製の高品質なマシーンを選ぶ
  • デザインや機能、自分のライフスタイルに合わせてじっくり選ぶ

「純正がないなら…」とがっかりするより、「自由に選べるチャンスだ」と考える方が、ずっと楽しいと思いませんか?世の中には、ロレックス用として作られた、デザインも機能も素晴らしいワインディングマシーンがたくさんあります。

大切なのは「純正」というラベルよりも、自分のロレックスをしっかり守ってくれる、信頼できる”相棒”を見つけること。そう考えると、選択肢がたくさんある今の状況は、むしろ恵まれているのかもしれませんね。

寝室でも安心な静音性の重要ポイント

ワインディングマシーンの置き場所って、意外と悩みますよね。書斎のデスクの上とか、寝室のサイドテーブルとか、ふと目に入る場所に置きたいなって思う方も多いんじゃないでしょうか。

でも、そこで「あっ」と気づくのが、動作音の問題です。せっかくのリラックス空間で、モーターの「ウィーン…」という音がずーっと聞こえてたら、気になって集中できないし、眠りも浅くなってしまうかもしれません。これ、想像以上にストレスなんですよね。

デザインや機能性に目が行きがちですが、この「静音性」、つまり静かさって、快適な時計ライフを送る上では絶対に外せない、かなり重要なポイントなんです。

見るべきは、心臓部の「モーター」

じゃあ、どうやって静かなマシーンを見分けるのか。一番わかりやすいチェックポイントは、製品の心臓部とも言える**「モーターの種類」**です。

数あるモーターの中でも、特に静音性で高い評価を得ているのが、日本の**「マブチモーター」**。時計好きやガジェット好きの間では、もはや「信頼の証」のような存在になっています。製品説明に「マブチモーター使用」という一文があれば、それは「うちは静かさにもこだわってますよ」というメーカーからのメッセージだと受け取っていいでしょう。

もちろん、マブチモーター以外にも静かなモーターはありますし、メーカーによっては、

  • モーターをシリコン素材で覆って振動を吸収する
  • 筐体(ケース)の設計を工夫して音漏れを防ぐ

といった独自の静音化技術を駆使している製品もあります。こうした「見えない部分」へのこだわりが、実際の静かさに繋がってくるわけです。

ネットで買うときのチェックリスト

とはいえ、ネット通販だと実際に音を聞くことはできませんよね。そんな時は、以下の点を重点的にチェックしてみてください。

  1. 商品説明を熟読する 「マブチモーター使用」「静音設計」「サイレントモーター」といったキーワードが入っているかを確認します。
  2. 購入者レビューを読み込む これが一番リアルで参考になります。「本当に静かでした」という声はもちろん、「寝室に置くには少し音が気になる」といった正直な意見まで、実際に使った人の生の声は何よりの情報源です。

特に音に敏感な方や、僕のように静かな環境で集中したいタイプの方は、他の何を差し置いても、この「静音性」を最優先事項として選ぶことを強くおすすめします。後から「ああ、やっぱりうるさかった…」と後悔するのだけは、避けたいですからね。

磁気帯びによる故障のリスクについて

機械式時計にとって、これほど厄介な敵はいないかもしれない、と言われるのが「磁気」です。

僕らの身の回りって、実は磁気を発するものだらけなんですよね。スマートフォン、パソコン、タブレット、スピーカー、カバンの留め具に使われてるマグネット…。これらに時計を近づけてしまうと、内部の精密なパーツが磁化して、時間がめちゃくちゃに進んだり、逆に遅れたりする「磁気帯び」という現象が起こります。

で、ここからが本題なんですが、モーターで動くワインディングマシーンも、残念ながらこの磁気の発生源になり得ます。「え、じゃあマシーンに入れておくと、逆に時計を危険に晒すことになるの?」って、心配になりますよね。

安さには理由が?「磁気対策」の有無

大丈夫です。そのあたり、ちゃんとしたメーカーは百も承知。信頼できる製品は、この磁気の問題をクリアするために、しっかりとした対策を施しています。

具体的には、こんな感じです。

  • モーター自体を磁気シールドで覆う
  • 時計をセットする部分とモーターの距離を、影響が出ないように離して設計する

こういう「見えない部分」にきちんとコストをかけているからこそ、安心して大切な時計を預けられるわけです。

一方で、僕らが注意しないといけないのが、「安ければいいや」で選んでしまうケース。コストを極限まで切り詰めた安価な製品の中には、この磁気対策が不十分なものが紛れている可能性があります。

もしそんなマシーンを使い続けたら…?気づかないうちにじわじワと時計は磁気を帯び、ある日突然「あれ、なんでこんなに時間がズレるんだ!?」なんてことに。考えただけでも、ちょっとゾッとしますよね。

もちろん、ロレックスのミルガウスのように、もともと非常に高い耐磁性能を誇るモデルもあります。でも、すべての時計がそうではありません。

数千円の違いを惜しんだせいで、何十万、何百万もする時計の調子が悪くなってしまっては、元も子もありません。ここはもう「安心料」だと割り切って、製品の仕様に「帯磁対策」「磁気シールド」といった記載があるかを確認し、信頼できる一台を選ぶ。それが結果的に、一番賢い選択だと僕は思います。

長持ちさせるためのメンテナンス方法

お気に入りのロレックスを良い状態に保つため、せっかく導入したワインディングマシーン。でも、そのマシーン自体のケアって、意外と見過ごしがちじゃないですか?

時計本体にばかり目が行ってしまいますが、その時計を支えてくれている「縁の下の力持ち」であるマシーンも、ちゃんとケアしてあげることがすごく大事なんです。

「メンテナンス」なんて言うと、なんだか専門的で難しそうに聞こえるかもしれませんが、大丈夫。普段からできる、ごく簡単な気遣いがほとんどですから。

まずは基本の「お掃除」から

何よりもまず、基本は掃除です。汚れたケースに大切な時計を入れておくのは、ちょっと気分が良くないですもんね。

  • 外装のホコリを乾いた柔らかい布で拭く
  • アクリル窓についた指紋や汚れを拭き取る
  • 時計をセットするクッション部分も、ホコリが溜まりやすいのでチェック

これだけでも、見た目がシャキッとして気持ちが良いですし、ホコリが機械の内部に入り込むのを防ぐことにも繋がります。

たまには「耳」で健康診断を

次に、時々でいいので、マシーンの「健康診断」をしてあげましょう。目で見て、そして何より「耳」で聞いてあげてください。

チェックするのは、こんな違和感です。

  • 以前より動作音が大きくなっていないか?
  • 「ギーギー」「カラカラ」といった異音がしないか?
  • 回転の動きはスムーズか?(カクカクしていないか)

もし、こうした「あれ?」を感じたら、それはモーターや内部のギアが疲れてきているサインかもしれません。そのまま使い続けると、正しくゼンマイを巻き上げられなかったり、最悪の場合はマシーン自体の故障にも繋がります。

もし異常を感じたら、絶対に自分で分解しようとしないでくださいね。僕ら素人がいじって、もっと状態を悪化させてしまうのが関の山です。そこは素直に、購入したお店やメーカーのサポートに相談するのが一番の近道です。

ワインディングマシーンは、あくまで時計をサポートするための「道具」。でも、そう割り切るだけじゃなくて、大切な時計を支えてくれる「相棒」だと思って、少しだけいたわってあげる。その気持ちが、結果的に愛用のロレックスを長く守ることにも繋がるんだと、僕は思います。

よくあるQ&A

Q: ワインディングマシーンは24時間動かしっぱなしで良いですか?

A: あまりお勧めしません。時計の部品が不必要に摩耗する原因になります。1日の回転数が適切に設定できるタイマー付きのモデルや、一定時間動いては休止する間欠運転モードを活用し、時計を休ませる時間を作るのが理想的です。

Q: 止まってしまったロレックスをマシーンに入れる前に手巻きは必要ですか?

A: 必ずしも必要ではありませんが、リューズで10~20回ほど軽く手巻きしてからセットすると、マシーンが動き始めてから安定して動作しやすくなります。特に完全に止まっている状態からであれば、少しだけ手で助けてあげるのが親切です。

Q: 安いワインディングマシーンでも大丈夫ですか?

A: 一概にダメとは言えませんが、注意が必要です。安価な製品は、静音性や磁気対策が不十分な場合があります。モーターの品質や耐久性にも差があるため、故障のリスクも高まる可能性があります。大切な時計を預けるものなので、信頼できるメーカーの製品を選ぶことを強くお勧めします。

Q: 対応する回転数がわからない場合はどうすればいいですか?

A: まずはORBITA社などのデータベースサイトで調べるのが確実です。それでも不明な場合は、1日あたり650回転・両方向回転に設定しておけば、ほとんどのロレックスで対応可能です。そこから数日間様子を見て、もし時間が遅れるようなら回転数を少し上げ、進むようなら少し下げる、といった微調整をするのが良いでしょう。

総括:ロレックスのワインディングマシーンで回転方向に迷ったら

記事のポイントをまとめました

  1. 現行ロレックスの多くは左右どちらでも巻ける「両巻き」
  2. 回転方向はデータベースサイトで確認するのが確実
  3. 適切な回転数は1日650~850回転が目安
  4. 時刻合わせの手間が省け、時計のコンディション維持に役立つのがメリット
  5. 部品の摩耗や磁気帯びのリスクといったデメリットも理解しておく
  6. 毎日使う人には不要な場合もあり、必要性はライフスタイルによる
  7. 純正品は市販されておらず、信頼できる他社製品を選ぶのが基本
  8. 寝室などに置くならモーターの静音性は重要なチェックポイント
  9. 安価すぎる製品は磁気対策が不十分な可能性があり注意が必要
  10. マシーン本体も定期的に清掃や動作チェックをすることが大切
  11. これは「必需品」ではなく「時計生活を豊かにする選択肢」の一つ

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